コレを知らずに眼鏡を作って大丈夫?知って得する「め・い・し・い・き」
「明視域」という言葉をご存知でしょうか?
僕は、眼鏡屋になるまで知らなかったです。
この「明視域」を知らないまま眼鏡を作ると、不便さを感じたり、目の疲れを感じやすかったり、せっかく作った眼鏡をかけなくなってしまうことも…
そんな「MOTTAINAI」ことしたくないですよね?
今回は、知って得する「明視域」についてのお話です。
先ほどから魔法のように放っている言葉「明視域」とはどんなものか?
僕の少ない画力を駆使してざっくりと説明していきますね。
アナログですいません。笑
明視域とは?
まずは下の絵をご覧ください。
目がリラックスした状態で視える最長の距離のことを「遠点」
目の筋肉を使って調節をすることで視える最短の距離のことを「近点」
この遠点から近点までの奥行き内のピントを合わせられる領域のことを「明視域」と言います。
…と言われてもまだ難しいので、まずは目の構造から見ていきましょう!
目の構造をざっくりと解説
目は、「角膜」と「水晶体」という2つのレンズが搭載されており、その2つのレンズを使い、光を屈折させ、「網膜」というセンサーにあたる部分に集光することで、ものを見ています。(本当はもっと複雑な構造ですよ!)
遠くのものを見る時と、近くのものを見る時とで、レンズの集光する力を変えています。
集光する力を変えているのは、2つのレンズのうちの「水晶体」の部分です。
遠くのものを見るときには、水晶体を薄くし、集光力は少ない状態に、近くのものを見るときには、水晶体を膨らまし、集光力が多い状態にしています。
この時、水晶体の周りにある「毛様体筋」という筋肉を使い、水晶体を膨らませることで集光力を高めています。
この毛様体筋を使い、水晶体を膨らませることで「近点」を変化させているのです。このことを「調節力」とも言います。
この調節力をどのくらい使っているかが、実は目の疲労感にも直結してきます。
最初の明視域とは?の文章に目の情報を加えてみましょう。
もう一度、最初の図をご覧ください。
毛様体筋を使わず、リラックスした状態で視える最長距離のことを「遠点」
毛様体筋を駆使して水晶体を膨らませ、調節力を最大限まで使って視える最短距離のことを「近点」
この「遠点」から「近点」までの間のピントを合わせることができる距離のことを「明視域」と言います。
なんとなく最初よりもイメージがついてきましたか?
眼鏡は、この明視域の遠点をどこに持ってくるかを決めるアイテムなので、決して目が良くなるアイテムではないのです!
例えば、遠くに遠点を設定した眼鏡を作ったのに、スマホばかり見ていたらずっと筋肉を使い続けている状態になるので、眼精疲労一直線の設計になってしまいます。
それこそ、一日中、目にダンベルを持たせているようなものなんです!
ここまで僕のnoteを読んでくださりありがとうございます。
一つ質問ですが、今、画面までの距離はどのくらいでしょうか??
スマホで見ていたら30cmくらい?
パソコンで見ていたら60cmくらいでしょうか?
…お気づきでしょうか?
今も筋肉を酷使している可能性があります!
1日の中で、最もよく使う「距離」に合わせたレンズ設計にすることで、眼精疲労を軽減できるようになるかもしれません!
今の自分の眼鏡が、どこにピントを合わせているのか、ちょっと気になってきませんか?
さらに、「アシストレンズ」や「累進設計レンズ」を使うことで、明視域を改善し、もっと快適な生活も送れるようになるんです!
この辺りを話し始めると長くなるので、またどこかで。
いち早く知りたくなった方は、ぜひお店まで。
今回は、たまには眼鏡屋らしく「明視域」についてのお話でした。
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