チムニーと女の子......。 10. 『木曜日のLion 』
鉛色 の雲に 隠れた 恥ずかしがり屋の 太陽が
遠くから
朝を 知らせる
「 今日は 何曜日? 」
砂時計をひっくり返さないと……。
鉛で 繋がれた 格子のガラスウインドウ
( 早く 窓を開けて……。 )
丸い小窓が ふたつ 並んだ 2階の お部屋。
女の子は、まだ眠ったまま......。
煉瓦造りの 強固な赤茶の家。
屋上のチムニー も 静かに 3本 いつもと変わらず そこにいる。
彼女はまだ夢のなか、また 遠い異国の海の夢を見ているのかしら。
この街に海はない......。 今は 猫のショコラもいつの間にか 居なくなって …。
.....
夜明け
それぞれが 目覚め始める。
ぬれ羽色のカラス達 それぞれが対になって 朝の口づけを交わす。
今日は 木曜日
夜明けの空と黒いカラスは 知っている。
小鳥たちは、一度 起きて どんな夢を見たのか お喋りをしていたけれど 、
どうやら また、眠ってしまったみたい。
女の子も小鳥も まだ ぐっすり夢の中 ....。
・・・・・・・・
ふんわり 漂う香り
優しい 茶葉のベルガモット
銀のティースプーン
そっと 浮かべて
ベルガモットの葉を浮かべて
誰かの 微笑み
ママンと 大きな白い犬と
中二階のテラス
ロイドルームの アームチェア
ピート君は どこ?
黒い 薪ストーヴの傍、
いつもの指定席
鋳物鉄のデコラティブ、
テラコッタタイル と無垢板の境目、
鼻先に蝶が留まるのは
眠っているから? それとも……
ピート君の上目遣い
大好物 = 天使と同じ クロワッサン
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猫のショコラ と 妖精の選択
あなたの前世は何だろう?
目には見えない赤い糸
鉛色の雲に 隠れんぼ 目を覚ました太陽は
恥ずかしがり屋な 今日の 太陽は、
ゆっくりと その影から
力強い光を 放ち始めた
鉛色の雲たち、 水色の風に吹かれ 緩やかに 動き出し、
カタチを、その様相を 静かに 変えていきました。
まるで......
たてがみをなびかせた頭は 北に、 その尾は ぴんと天を 仰ぎ
前脚で 鋭い剣を 掲げ
未来を見据えた 眼光
そのお姿は
まるで
......
ペルシャ
遥か昔の カージャール王朝
勇ましい獅子
太陽を背に 現る 輪郭
勇ましい 鉄紺の よな 青い 雄ライオン
「 未来に向かう 真我 を 抱いて……。 」
今日は、木曜日。
女の子は、まだ夢の中……。
小鳥達が そろそろ 目を覚まし….
愛と平和 つづく……。
2020/08/30 21:44 制作のものを編集