①喋らない営業
僕が初めて営業をしたのがバンドの夢を諦めた23歳の頃、布団の訪問販売でした。
それまでは、バンドをしながらコンビニでアルバイトの日々。営業のえの字も知らない。
しかも、極度の人見知りとあがり症です。
営業初日から3日間は、先輩に付いていってノウハウを学ぶ。
4日目に車から降ろされて1人でインターフォンを押さなければなりません。
初めはどうにかなるだろうと思ったのですが、マンションのお客さんが玄関を開けたとき、
全く喋れずに、
「あんた、何しに来たの?」と言われ全く相手にされませんでした。
そこから次のインターフォンを押すのが怖くなり、プラプラ歩いただけで1日が終わりました。
このままではダメだと思い、家に帰って話す内容を紙に書いて覚える事をしました。
「これで明日は大丈夫だ!明日は一件契約するぞ!」
そんな意気込みも虚しく、全く相手にされません。
それどころか緊張で自分が何を話しているのかもわからず、理解されない日々が続き逃げるように退職しました。
それから、営業を離れ色々な仕事を転々としていました。パチンコ店の店舗責任者になり、収入も安定。不満は1つもありませんでしたが、心残りがありました。それは、営業です。「営業が出来るようになりたい!」「失敗したまま終わらしたくない!」バンドでも失敗、でもバンドは年齢的に・・・
営業くらいは成功したい!そう思い、営業に転職しました。
でも、人見知り、あがり症。どうしたらうまく話せるだろうか?
色々試行錯誤している中、あるA先輩と同行している時に違和感に気づきました。
A先輩は毎月の成績はトップクラス!ですが、事務所では全く喋らずにどっちかと言えば暗い性格です。
ですが、淡々と話が進み、ものの30分位で契約に至りました。
その違和感ですが、A先輩はほとんど喋ってないのです。
喋ったのは自己紹介くらいで、後はお客さんがほとんど話していました。
他の先輩は、元気があり、話もうまくて、勢いもあります。
そういう人は契約がとれて当たり前だと思いますが、A先輩が契約取れるとは正直思いませんでした。
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