金沢旅行2023.4④ 21世紀美術館と鈴木大拙館
前回まで、1泊2日の金沢旅行の1日目を書きました。今回はその続きです。
ホテルをチェックアウトし、まず向かったのは21世紀美術館。ホテルのある香林坊から美術館は近く、所要時間は徒歩で10分程。
■21世紀美術館
この美術館は、「まちに開かれた公園のような美術館」といったコンセプトのもと、2004年10月にオープンしました。無料ゾーンと有料ゾーンがありますが、無料ゾーンだけでも十分に楽しむことができます。
「スイミングプール」が有名ですが、個人的には「ブルー・プラネット・スカイ」もオススメです。「タレルの部屋」としても知られるこの作品。天井が正方形に切り取られており、空を望むことができます。
ここで30分程、瞑想をしたこともありました。今回は時間に余裕がなかったので瞑想とはいきませんでしたが、それでも10分ほど頭の中をからっぽにして、この青空を眺めてきました。
訪問した時は私一人、独占状態でした。後から来た方は3人のみ。コロナ前を含め、ここは一番混んでいた時でも10人程度。たまたま運が良かっただけかもしれませんが、混まないのもオススメすポイントです。
唐突ですが、キリシタン大名で知られる高山右近は、国外追放前、この21世紀美術館の敷地に屋敷を構えていたそうです。このことを知ってから、なんとなく右近を身近に感じるようになりました。
さて秋元雅史氏という方をご存じでしょうか。
2007年からから10年間、この美術館の館長を務めていた方です。氏の著書「おどろきの金沢」では、10年間住んでわかった金沢の魅力を伝えてくれます。所謂ガイドブックではありませんが、金沢の一面を知るにはよい一冊だと思います。
■鈴木大拙館
21世紀美術館をあとにして、鈴木大拙館に向かいました。所要時間は、徒歩で10分程度です。
鈴木大拙は、石川が生んだ仏教哲学者。禅を海外に紹介したことで知られています。
昨年の5月頃、急に「京都」という街が気になって気になって仕方なくなってしまい、それ以降、6回ほど訪問しました。その京都で気に入った場所の一つが「哲学の道」。哲学者の西田幾多郎が思索に耽りながら散策したことから、このように呼ばれるようになったと言われています。
鈴木大拙は、その西田幾多郎ともにここ金沢にあった旧制四高の出身。二人は旧知の間柄であったと言われています。ベクトルの向きを同じくする二つの若き才能がこの土地で出会っていたなんて、不思議な縁だなあと思います。
この鈴木大拙館を設計したのは、谷口吉生氏。東京都葛西臨海水族園(1989年)、ニューヨーク近代美術館などを手掛けた著名な建築家。
父親の吉郎氏も著名な建築家で、東宮御所、帝国劇場等を設計した方です。この吉郎氏は金沢出身で、名誉市民第一号なんだそうです。
話は逸れますが、2019年、吉郎氏の住まいの跡地に、吉生氏の設計による「金沢建築館」が建設されました。
まだ行ったことがないので、また金沢に行く際には訪問してみたいスポットです。
■松風閣庭園
鈴木大拙館の直ぐ隣では、松風閣庭園がひっそりと公開されています。
作庭期は兼六園よりも古く、江戸時代初期。
加賀八家の本多家の屋敷があったとされる場所にあり、兼六園はこの庭園を参考にして作庭されたと言われているようです。
ここは、地元でも知る人ぞ知る場所のよう。
派手さはありませんが、大拙館に行った折には、寄ってみるのも一興だと思います。
■「緑の小径」と「美術の小径」
さて、ここから石川県立美術館の横を通って、兼六園に向かうことにしました。兼六園には前夜も訪問したのですが、せっかくの観桜期なので、昼間も行くことにしたのです。
松風閣庭園から中村記念美術館に向かう散策路は「緑の小径」、中村美術館から県立美術館に向かう散策路は「美術の小径」と呼ばれています。
金沢に住んでいた時は、『武家屋敷跡→21世紀美術館→鈴木大拙館→松風閣庭園→県立美術館→兼六園→金沢城→主計町茶街→ひがし茶屋街→近江町市場』といったルートでよく散歩をしたものです。これで大体4時間ぐらいのコースになります。
ここまで書いてみて「歴史の小径」と「美術の小径」の違いがわからなくなりました…笑
確か、上の写真「歴史の小径」の先が二股に分かれ、左に行くと「歴史の小径」、右に行くと「美術の小径」だったと思うのですが…
次に金沢に行く時に確認しようと思います。
今回はここまでです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。