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注文をまちがえる料理店 【読書感想文】 コロナ明けの再開を期待して
★★★★★
Amazonでレビューしたものです
「注文をまちがえるなんて、変なレストランだな」
きっとあなたはそう思うでしょう。
私たちのホールで働く従業員は、みんな認知症の方々です。
ときどき注文をまちがえるかもしれないことを、どうかご承知ください。
その代わり、どのメニューもここでしか味わえない、特別においしいものだけをそろえました。
「こっちもおいしそうだし、ま、いいか」
そんなあなたの一言が聞けたら、そしてそのおおらかな気分が、日本中に広がることを心から願っています。
――「注文をまちがえる料理店」に掲げられたステートメントより
2017年6月。日本のみならず世界中の話題をさらったレストランがありました。
その名は「注文をまちがえる料理店」。
接客をするのは“認知症を抱える人”。まちがえることを受け入れて、まちがえることを一緒に楽しむ。
この不思議であたたかいレストランのものがたりを1冊にまとめたのが本書です。
I部ではこのレストランで本当にあったお話(物語)を、
II部ではこの企画の発起人である小国士朗氏による解説ならびにレストランにかける思いを掲載しています。
忘れちゃったけど、まちがえちゃったけど、まあいいか。
■目次
●Prologue 「注文を間違える料理店」ができるまで
●第I部 「注文を間違える料理店」で本当にあったものがたり
●第II部 「注文を間違える料理店」のつくりかた
●Epilogue 「注文を間違える料理店」のこれから
1.認知症でも働ける
2017年6月に認知症の方がオーダーをとったり、料理を運んだりするレストランがオープンしました。2日間だけ。
注文を間違える料理店
という名前のレストランです。
そのレストランに参加した方々、そのレストランで起こったこと、そして発起人による経緯と思いが綴られたのが、こちらの本になります。
2.たとえ忘れてしまっても
介護施設で認知症のおばあさんでも、タオル畳みやチラシの折り紙を頼まれると、一生懸命せっせとやってくれる人はたくさんいらっしゃいます。
病気だから、お年寄りだから、と周りが全てやってあげることばかりがいいこととは限りません。
このように短時間でも仕事をすることによって、今までの人生で身につけてきた技術を発揮し、人のため社会のためになる役割を果たすことは、人間として望ましく、誇らしいことです。人と会って会話をし体を動かすことで刺激になって、病状の進行が抑制される効果もあると思います。
何より、参加されたみなさんが楽しく過ごせたそうで、それが一番いいことです。
料理店に参加した記憶をすっかり忘れてしまったとしても、きっとどこかには楽しい感情が残っていることでしょう。
3.支え合う目標
この本に出てきた、料理店に参加した認知症の方々の中で、特に印象に残ったのが、三川さんご夫婦です。
奥さんが若年性認知症の方で、ご夫婦で参加され、ピアノとチェロで演奏をされました。
動画にもその様子が写っていました。
お二人で一生懸命練習されたそうです。
途中でつっかえる奥さんを旦那さんがサポートして、最後まで立派に演奏されました。素晴らしかったです。
認知症になって色々と諦めることが多くなっていた日常に、この料理店で演奏するという目標ができたことも、本当に素晴らしいと思います。
大袈裟な表現になりますけど、生きるってこういうことではないかな、と感じたワンシーンでした。
4.こういう活動が広まってくれることを願って
もちろん、発起人がテレビ局のディレクターさんで、能力の高い有名な方に幅広く声をかけて協力してもらえたということが大きいでしょう。
一般人ではこうはいかないと思いますし、毎日のように続けるのは難しいでしょう。HPを見ると、2018年で最後になっているようで、残念だなと思います。
こういったレストランやカフェが、もう一度開催され、そしてもっと広まって行ってくれるといいと思います。コロナもひと段落ついたことですし。
デイサービスとかに付属で常設で注文を間違える料理店を作って、認知症の方が交代で勤務するとかできたら素敵ですよね。
と思っていたら、
注文に時間がかかるカフェ
というのを見つけました。
こちらは吃音の方が働くカフェだそうです。
これはこれで面白そうですね。
こうやって病気だったり障害だったりを逆に前面にアピールして、みんなで受け入れて楽しく過ごせるようになってほしいなと願っています。
著者:小国士朗 (著)
ASIN : B0773G1M9R
出版社 : あさ出版 (2017/11/10)
発売日 : 2017/11/10
言語 : 日本語
ファイルサイズ : 23176 KB
本の長さ : 200ページ
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