ダンジョン飯 2巻 【ネタバレありマンガ感想文】 想っても分かり合えないものたち
★★★★☆
Amazonでレビューしたものです
1.RPGの世界のダンジョンで魔物を喰らう
ドラクエのようなRPGの世界。
その世界の小さな島の地下には、過去の黄金の王国が狂乱の魔術師によって封じ込められていた。かつての王が魔術師の退治による解放を望み、解放者に全てを譲ると言い残して消えたため、争奪戦が始まった。
しかしその王国のある地下の迷宮=ダンジョンは、人を襲う魔物が闊歩し、死者は魔法によって蘇ることができた。
主人公ライオスとその一行は、彼の妹ファリンが地下で竜に食われた状態で地上に脱出した。妹を助けるため再び急ぎダンジョンに潜り、迷宮内で魔物を退治して食べながら進むことに。ダンジョンで魔物を食べてきたという新たな味方を得て、妹を助ける旅が始まった。魔物を食べながら。
2.少しづつ縮まる仲間の距離
ファリンを助けようとする一向に、後から加わったセンシ。
戦士として戦力も高く、料理も上手で、栄養バランスの保たれた食事へのこだわりも強いが、やや頑固で魔術への抵抗も、一人で迷宮で生きてきた誇りも強い人物でした。
しかし、彼らの自分にはない特技や能力に対し、素直に賞賛する姿勢も持つ人でした。さらに、自らの危機に助けてもらったこともあって、こだわりを譲歩する姿勢を見せるようになり、石鹸で体を洗って一行と一緒に先に進めるようになりました。
最初はエルフの娘、などと呼んでいたのが、きちんと名前で呼ぶようになり、距離が縮まったのが微笑ましく思えます。
そんなセンシに感化されたのか、チルチャックも自分の年齢を告白しました。29歳。。。とてもそうは見えませんが、エルフは長命だったり、加齢の速度が異なるようです。
3.変わったヒトのオーク、野生生物の魔物
①オークと食事を
センシがゴーレムで育てていた野菜を収穫した一行。(本当に光合成はどうなっていたのだろうか?魔法でできた空間で植物が育つから関係ないのか?)地下の溜まり場の交換所に野菜を物物交換しようとするが、そこにオークの一団が襲撃し略奪が始まってしまった。
元々オークと知り合いだったセンシがパンを作るために囚われの身となるが、一緒にパンを作って食事を食べることで和解。ファリンを飲み込んだ赤い竜がオークの生活場所を侵してきたことから、竜を倒すことを条件にその居場所を聞くことができました。
オークというのは指輪物語とかに出てくる人間に似た架空の生物だそうです。牙とかあってちょっと化け物っぽい感じ。
この話では、オークはエルフや人間など他の人種?から略奪して暮らし、土地を追われて迷宮の地下に追いやられたという経緯があるようでした。
しかし、一応服を着て会話も可能で、食べ物も人と一緒のようなので、ヒトよりの生き物なのでしょう。魔物ではないようです。
(ちなみにチルチャックはハーフフットという人種らしい)
②水棲馬という魔物
地下4階は水辺の階となっていました。
そこに住むケルピー=水棲馬は、センシがアンヌと名前までつけるほど可愛がっていた魔物でした。
センシは、このケルピーは害はない、これに乗って湖を渡ると言います。
それに対し、魔物好きのライオスは、
と言って、反対します。
結果、センシは水中に引き摺り込まれて喰われそうになり、ライオスに助けられつつ、センシはアンヌをその手で殺します。
ケルピーの今までの態度に「わからん」と繰り返すセンシ。しかし、自らアンヌを解体し、マルシルがアンヌから作った石鹸で体を洗って魔法をかけてもらい、みんなと先に進んでいきます。
このライオスの魔物への対応は、野生動物と人の距離を思いました。
私は猫を飼っており、長年一緒に暮らしてだいぶ何を言いたいかわかるようにはなってきましたが、それでも全然わからないこともあります。
好きだからこそわかるし、わからないからますます好きになる。
そういうことはありますよね。人でも猫でも魔物でも。
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