正直不動産 1巻 【ネタバレありマンガ感想文】 ありそうでなかった不動産漫画
★★★★★
Amazonでレビューしたものです。
1.嘘がつけなくなった不動産営業
以前、家を借りに行った時に、某有名不動産会社で、「あとでもっといいのが見つかったらキャンセルできますので、これでとりあえず仮押さえで契約しましょう」と、賃貸契約をしたことがありました。その後、別の物件に契約しなおしたのですが、本当にキャンセルできるのかな、と疑問に思いながらサインしたことを覚えています。というか、契約しといてキャンセルって酷いよね、とも思いましたが、そういうものなのか、無知な私はわかりませんでした。
この正直不動産は、比較的珍しい不動産業界の漫画です。
主人公・永瀬は、不動産会社の営業で、今まで嘘八百で契約を取り巻くって営業トップを維持してきました。不動産業界では千に三つしか本当のことを言われないという「千みつ」という言葉があるそうで、ほとんどが嘘で成り立っている業界なんだそうです。当然嘘をついて契約する不動産会社や社員の方が圧倒的に多く、永瀬は決して珍しいわけではなく、嘘と言っても情報を出さなかったり言い方を変えたり注意書きを説明しなかったりという、ギリギリのラインを攻めるものです。
しかし、永瀬が、ある土地にあった石碑を破壊したところ、祟りにあい、風が吹いて嘘がつけなくなってしまいました。
風が吹くたびに本音ばかりを言ってしまい、周囲も顧客も怒らせまくってしまう永瀬。嘘がつけなければ不動産業界でやっていけない、、と退職も考えた永瀬でしたが、正直に伝えたことで、逆に顧客の信頼を得ることができたことから、正直不動産として、できるところまでやっていく決心をします。
さあ、どうなる、正直不動産。
2.嘘まみれの不動産業界
巻末の解説でも書かれているように、衣食住は生きていくのに必要です。
しかし、我々は、住宅についてあまりにも無知です。家を借りたり買ったりすることはそれほど多いことではなく、人生で数えるほどしかない人がほとんどでしょう。そして、住宅の専門家である不動産屋に頼み、そのいうなりになり、結果として、不動産屋に騙される、という結果を招きます。
これまでに幾つかの法律が、そういった状況を改善すべく制定されてきました。しかし、法律は建前として実行されなかったり、法律のカバーできないグレー部分が残っていたり、不自然な慣習が横行していたりします。仲介手数料が本来半月分でいいはずが、大抵1ヶ月分払わされています。
この漫画では、顧客の内見に合わせて頼まれた仕込みが嘘を並べる芝居までありました。我々が気づかないだけで、実際にこういった仕込みが多く行われているのでしょう。恐ろしい業界です。
顧客である我々も、住宅の、不動産の知識を身につけて、騙されないように防衛していくべきでしょう。
3.ドラマ化で正直不動産が増えるといいな
こちらの漫画はNHKでドラマ化されました。
それが好評だったようで、2024年1月からSeason2がスタートしています。
https://www.nhk.jp/p/shojiki-fudosan/ts/2J96ZZK84Y/
ドラマといえば、医療か刑事もので、不動産は珍しく、ドラマチックなドラマにするのは大変だと思いますが、、
ドラマをきっかけに、嘘の多い不動産業界の内情が知られ、嘘がなくなって正直な業界に変わっていってくれるように、期待しています。
よろしければこちらもどうぞ〜
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?