ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王 5巻 【ネタバレあり読書感想文】 雲上の青 心の闇 人の想い
★★★★★
Amazonでレビューしたものです
マトリフの故郷
雲の上の隠れ里ギュータ。
マトリフが物心ついた頃から卒業の時まで過ごした彼の故郷に、アバン一行は到着。手荒い歓迎を受けます。
世俗から離れた雲の上の里に暮らすのは達人たち。
その頭目・カノンさんは、マトリフの、、、
元カノ?!
だからカノン?(違う)
カノンさんたちに受け入れられたアバンたち。
里に滞在を許可され、協力をえて修行と文献での研究を重ねます。
そして、マトリフは、昔を懐かしみます。
マトリフの師匠バルゴートの叱責。
“勇者とは勇気ある者
真の勇気とは打算なきもの
相手の強さによって出したりひっこめたりするのは本当の勇気じゃない“
心の弱い後輩にも実は伝わっていたのを我々は知っています。
「心」で切る空裂斬。
アバンは、空裂斬を会得するため、人の心の闇を増幅し攻撃してくる洞窟=逢魔窟に修行に入ります。
攻撃してくるのはやはりハドラー、、、と思いきや、オーバーキルが好きな侵入者でした。
心の眼で空裂斬を繰り出し、奴を倒します。
ダイと同じように。
まちこがれた勇者
私は、ダイの大冒険は漫画もアニメも見ましたし、大好きです。
ただ、ゲームのドラゴンクエストそのものは、ほとんどやったことないんですよね。ニンテンドーDSで12、3年ぐらい前に友人に手伝ってもらってなんとか1シリーズクリアしたぐらいで。
なので、この世界で、「勇者」がどれほど重要な存在なのか、いまいちピンときていません。
パーティで、戦士と魔法使いと僧侶がそれぞれ協力して戦えばいいんじゃないかな、とか思ってしまいます。
元のゲームではどうか知りませんが、
ダイでもこのアバンでも、心の大切さが、繰り返し謳われています。
力や技術も大事だけど、1番は気持ちだと。勇気だと。
カノンさんの父がギュータを作ったのも、正真正銘の勇者のためでした。
勇者とは勇気あるもの。
恐ろしいモンスターに魔物たち。
世界の支配を企む残酷な魔王。
強大な敵に対し恐怖を克服し立ち向かう勇気を持つもの
そんな勇者こそが、この世界の希望なのでしょう。
しかし、
勇者を探しにギュータをでたマトリフ。
勇者を待つギュータを守り続けたカノン。
ふたりの道は別れてしまいました。
互いに心の中で想い合っていたのに、通じず結ばれず。
最後の最期の再会を、喜ぶべきか、悲しむべきか。
マトリフの見えない号泣が哀しいです。
悲しい別れに★5つ。
表紙は若かりしマトリフとカノンさん。
表紙を取ると今の二人で、カノンさんの嫌そうな顔が受ける。
こういう遊び心好きですよ。
でも、電子版だと分かりにくくなってしまうのが残念。
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