交渉人は休めない 【ネタバレあり読書感想文BLR18】 10年後の巡り合いに感謝を込めて
*BL本 多分R18です
★★★★★
Amazonでレビューしたものです
こちらの交渉人シリーズ、「黙らない」から「愛される」までの6冊に、スピンオフのEXが7冊描かれてきました。
一旦完結となったのですが、上記の通り、筆者の100冊記念特別版に収録された後日談として、こちらの「休めない」が刊行されたようです。
現状での最新および最終巻となるようですね。
A.南の島でケンカプレイ
現実世界では結構時間が経っているのですが、話としては、「愛される」の続き。4ヶ月後と言うことなので、9月か10月ごろでしょうか。
臨時収入があった芽吹ネゴオフィスのメンバーは、七五三野に唆され、、、もとい勧められて、南の島に1週間バカンスにやってきます。
その島は芽吹の元カノのいる島であり、再会して抱きつかれているところへ、追ってきた兵頭登場。ブリザードが吹き荒れます。
距離が近づけば近づくほど違いも見えるようになった芽吹と兵頭。トイレの蓋だの靴下の洗濯だの、生活の些細な違いから揉めていました。
今回七五三野に言われて内緒の旅行ということで、兵頭は嫉妬満載。仲良くしようとしては喧嘩になってしまいます。
前半の山場はなんとキヨとトモ。
ケンカばっかでつまらんと思いましたが、これもプレイの一種ってやつでしょうか。
B.ふたりで死ぬ幸福、ふたりで生きる喜び
それでもやっぱり本当はお互いを思っているふたり。
そしてやっぱり危なっかしくトラブルに突っ込んでいってしまう芽吹。
芽吹とそれを追った兵頭は仲良く無人島へ放り出されました。
このまま助けが来なかったら干上がると不安になり、兵頭を、自分の大切な人を失うことに怯える芽吹。
それに対して「ひとりじゃない」と返す兵頭。
ふたりで、死ねるなら。
未だ芽吹に残る死への渇望。
でも芽吹は、生きることを選びました。
兵頭とふたりで。
南の島の貸切ヴィラで仲直り。
プールでガゼボで愛し合い、
海で一緒に生きることを喜び誓う、
ふたり。
からかったり喧嘩したり嫉妬したりしながら、
これから先もふたりで過ごしていくのでしょう。
心が生きる交渉をして。
C.10年後の巡り合いに感謝を込めて
シリーズ最終巻の「愛される」の発行が、2011年4月。
こちらの番外編の後日談「休めない」のあとがきが2013年秋となっています。
今私がこの感想を書いているのは、2023年11月。
発行から10年の歳月が流れています。
ジョジョの奇妙な冒険から流れてきて知ったこのシリーズ。
誠に奇妙な出会いでした。
そして、
幸せな出会いでした。
芽吹と兵頭の二人を、それを取り巻く人々を、その物語を知ることができ、彼らの再会から育まれる愛情を続けてみることができて、本当によかったです。
貴方達の物語を知り、読むことができ、楽しかった。
私に幸せな時間をくれてありがとう。
どうか幸せに。
ああ、でも、40代の二人も見てみたいですね。
組長になった兵頭とかわらず交渉人の芽吹のいちゃつきを。