正直不動産 4巻 【ネタバレありマンガ感想文】命で支払う不動産
★★★★☆
Amazonでレビューしたものです。
0.これまでのあらすじ
嘘が蔓延する不動産業界で、嘘を尽きまくって営業トップになっていた永瀬財地。しかし、ある日石碑を壊した祟りで嘘がつけなくなってしまいました。
入れ替わりの激しい競争社会の不動産会社。新たな課長・藤原が登場し、永瀬のライバルの桐山は藤原のやり方に納得できず社長に詰め合ったところ、社長は藤原を取り、桐山は退社。中途入社でやり手だった西岡はあんこ業者にキックバックをもらっていたことがばれ首に。
正直営業に方針を転換した永瀬は、やりがいと喜びを感じるようになっていた。
というところで、4巻。
今回は、借地権(後編)、欠陥マンション、地面師、リバースモーゲージ、AD物件(前編)。
1.不動産ブローカーとミネルヴァ
①不動産ブローカーになった桐山
借地権の持ち主と、土地の持ち主の地主が違うというパターンで、借地権の持ち主は16件。一方地主は一人。
まとめて土地を買い上げて建物を建てられる広い土地として売るには、借地権と地主と両方から同意を得て買い上げないといけない、らしいです。
借地権ってよくわからないですよね。土地の持ち主に金を払って土地を借りてその上に建物を建てて住む権利。
ろくなことしない藤原課長にめんどくさいことを押し付けられながらも、なんとか話をまとめようとした永瀬。
しかしそこへ、前に登坂不動産を辞めた桐山が、登坂不動産に乗り込んできました。全部の土地のど真ん中の区画を手に入れて。
不動産屋と不動産ブローカーの違いがよくわからないのですが、桐山の進もうとしている道もわかりません。
彼には、建設会社に尽くして捨てられて自殺した父親がいました。「父のような社員が笑って働ける不動産会社を作りたい」と言っていたのですけどね。。。
②欠陥マンションと月下の父
この辺りから、登場人物が少しずつ深掘りされていきます。
前の巻ではチラッと大河部長が登坂不動産にきた経緯がバラされていました。
桐山といい、この登場人物たちはなんとも色々な過去を背負っております。なんでみんなそんなドラマチックな人生送ってるの?普通の会社員じゃないの?
月下は1巻で住宅ローンが原因で両親が離婚したことが語られていましたが、今回は彼女の父親が登場。8年ぶりの父娘の対面に。
少ししっかりしてきた月下に対し、なんとも優柔不断そうなお父さんですなあ。
前の巻で登坂不動産をクビになった西岡と、1巻で成績不振で辞めた瀬戸が、欠陥マンションを月下父に売りつけようとし、バトル勃発です。
しかしこの話のヒーローは、インスペクターさんでしょう。
プライドを持って仕事している男性は格好いいですね。
2.銀行とズブズブの不動産
光友銀行の榎本美波ちゃん登場。
ドラマでも活躍中です。
不動産会社と銀行はよく言えばもちつもたれつ。悪くいえばズブズブ。
かわいい顔で売るのは、リバースモーゲージ。死んで支払うローンなんだそうです。
https://www.kokusen.go.jp/pdf_dl/wko/wko-202212.pdf
昔は日本はみんな借家暮らしだったそうです。明治の文豪・夏目漱石も、借家を転々としていたとか。
それが、戦後、国と銀行と建築会社か何かが手を組んで、マイホームを持とうという機運になり、今の借金して家を建てる流れができた、、と何かの本で読みました。
命をかけて家を買うのか。。。
3.不動産って儲かるんですね。
2017年に積水ハウスが地面師の詐欺にあって、55億5千万円も騙し取られたんだそうです。
我々不動産に関係ない人間にとっては、そんな事件あったかな、ぐらいな感じですが、55億って桁違いですな。そんなにポンっと払えるのがすごい。
今巻から、フルコミ契約の黒須という社員がまた登場します。
なんともいけすかない自信家な男ですが、なんと月300万の収入!
月300万!!年収3600万!!!
社長もオーダーメイドの服を着ているし、、、
不動産って儲かるんですね。羨ましい。。
そんな社長も昔は色々とあったようですよーと美魔女マダム再登場。
こういう妙齢の過去を匂わせる男女はなんとも言えません。
昔、地面師のせいで人生が変わった社長。
今、地面師からからくも逃れた永瀬は、美味しいお酒をストックしてもらいました。
粋なことしますね、社長も。
何を考えているかよめなかった社長ですが、ここでやっと人間らしくなりました。
しかし、何かというと高い酒を飲み、可愛いお姉ちゃんと会って、タワマンに住みたがる永瀬、、なんとも昭和な男ですな、貴方は。
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