信長のシェフ 35巻 【ネタバレあり読書感想文】 この胸いっぱいのハムと
★★★★☆
Amazonでレビューしたものです。
ここにきて魅力満載の秀吉
ケンは、秀吉に自分が未来から来たことと明智光秀の謀叛を明かし、秀吉は史実より早く京へ戻りはじめます。
ついに、未来人の手で歴史が大きく変わり始めてしまいました。
しかし、秀吉の大群は士気も上がらず、なかなか進みません。
この辺の感覚間隔がむずかしいところですね。
現代からすると新幹線でちょいって感じなので、そんなかかるかーと。
昔は徒歩だからなあ。
秀吉さん、今までは基本ギャク要素がやや多めだったのですが、上様一大事のケンの話にみせる、判断力決断力実行力。そして忠誠心と気迫。
合間にギャグをはさんで突っ込ませ和ませるのも忘れない。
ギャップに惚れそうです。
人を見る目と扱い方も見せてくれました。
ケンの人の良さと異質さを見抜き、こいつの力なら戦を止められると判断するも、一点突破型の弱点からサポートに官兵衛をつける。煽り方まで教えて。
さすが天下とっただけある。
って、秀吉は天下とれるのか?
そしてケンは秀吉から戦を引き継ぎ、、って、戸惑う官兵衛さん。いや料理人、戦の指揮しません。おかしいでしょう。
うちらも秀吉さんも慣れ過ぎですよ。
世襲相続反対
突然ですが、私は世襲相続反対派です。
ただ金持ちの親の元に生まれただけで何の苦労もなく生活できる人と、才能があり努力がしても親が貧乏なばかりに活躍できない人に別れるのは、不平等です。
結果の不平等は受け入れるべきですが、スタートは平等にするべきでしょう。
確かに親子は似ていることも多いですが、違う点も多く、父や祖父が才能があっても息子や孫が必ずしもそうとは限らず、逆も然りです。それについては家康が証明していることでしょう。
なにより残酷だと思います。父と同じように生きること、父と同じ才能を持つことを強いられ、そうでないと侮られ罵られ辱められる。息子は父や祖父とは違う人間なのですから。
それでも彼は、自分の実力と自分より優秀な部下の実力を認め、自分の立場で責任を取ろうと彼なりに努力します。部下に呆れられる予想を受け入れ、何でもないように明るく振る舞いながら。
輝元様は今の時代に生まれたらよかったかなと思います。
器が大きく、人を見る目がある人ですが、残念ながらそれだけでは、戦国武将は大分厳しいでしょう。
まあでも地方の会社の3代目とかでもよくある話でしょうか。
ちょっと見直した副料理長
さらに、誰も知らず、予想外の動きを続ける、最後の未来人=望月さん。
この方もどちらかというと和ませ役で、本当にケンと同じ副料理長何だろうか、と疑わしく思っていました。
歴史の知識どころか世間常識もないし、料理の知識もケンほどない。
それでも、錆びた包丁1本で京まで旅ができるのはさすがというところでしょうか。
最後の予想外のピースとして一体どんな動きをしてくれるのか?
彼のケンへの土産は何をもたらすのか?
期待と不安が入り混じるところです。
ときめきと痛みにハムを
個人的に嬉しかったのは、お久しぶりの楓ちゃん。
元気そうで何よりです。
そして変わってなさ過ぎです。いろんな意味で。何年経ってるんだ、、他のメンバーもそうですが。
いまだにケンにそんなこと言ってると、帰蝶様に怒られるぞー
でも、彼女は、信長のために生きて死ぬと決めているし、今更他の生き方、普通の女になることはできないでしょう。
なら、いっそ、このまま今のままの方がいいのかもしれません。
戦国の世も現代も、今も昔もかわらない、この胸のときめきと痛み。
あ、ひどい男もね。
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