交渉人は愛される 【ネタバレあり読書感想文BLR18】 永遠の愛を誓い日常を生きる
*BL本 多分R18です
★★★★★
Amazonでレビューしたものです
まだ公開されません
→公開されました
「黙らない」「疑わない」「振り返る」「嵌められる」「諦めない」に続く、シリーズ6冊目。お話としては、これで一旦完結となります。
アンコール作品の後日談で「休まない」、智紀とキヨがメインのスピンオフ「スウィーパーはときどき笑う」があります。
A.新たな繋がり方
「おまえのことを好きなのかどうか、よくわからない」「俺は誰のものにもなりたくない」と、口と指1本から始まった二人の繋がり。
交渉人とヤクザという、時に対立する関係とトラブルを乗り越えながら、芽吹は兵頭への感情を自覚し、関係を深め思いを繋げてきました。
今巻では格好よく結婚式をぶち壊した後に写真が登場。
死の淵の鵜沢パパの依頼を断れない芽吹は、あの鵜沢解放の交渉を引き受けます。交渉相手は兵頭、から、真和会幹部・座木に交渉相手が移ります。鵜沢は逃走し追いかける芽吹を追う追っ手。
互いに深く思い合い、理解し合いつつも、時に対立してしまうという二人の立場は相変わらず。
でも、それでも前とはちょっと変わりました。それぞれ学習し、覚悟をきめています。
芽吹はしっかりと話し合い正面からぶつかり合う。
一方兵頭は、、、上手くかわしましたね。
なんでヤクザが交渉人に頼るかなーと思いましたが、鵜沢組長からすれば、息子も兵頭も手玉に取られた環を警察送りにした凄腕ですもんねえ、芽吹は。でもUSBは警察じゃあないの?
芽吹のぶち壊した結婚式の参加者が、対象の姪で尚且つ彼に一目惚れっていうのは、ちょっとできすぎですなあ。キャラとしては面白いですが。
B.狂気の愛
「俺はなんでもできますよ。組に背くこと以外なら、なんでもできる。あんたが死ねっていうなら、いますぐ舌を噛み切ったっていい」
兵頭の言葉は本当でした。彼は芽吹を愛している。自分の命よりも。
自分でもよくわからない衝動に突き動かされ、銃口の前に飛び出す芽吹。
その芽吹を庇い銃創をおいつつ、彼を仕事に追い立てる兵頭。
真和会の幹部に乗り込み、捨て身の気迫で直談判する交渉人。
これはもう交渉ではないですね。
狂気であり愛が勝ったという感じ。
「早く斬ってくれ…。俺は、行かなきゃならないんだ」
巨大な組織の前で、無力感に打ちひしがれていた芽吹。
そんな彼が真和会を圧倒する様は爽快でした。
この物語の幕を開けた周防組長が、幕引きに尽力するのも綺麗だなと思いました。
C.病める時も健やかなる時も
ボロボロになって入院して後、期間限定ですが同棲することになった芽吹と兵頭。芽吹のだらしなさが意外なのとそれなのに料理はできるのも意外。どんなに愛し合っていても、いざ生活をしていくとなるとぶつかり合うところは出てくるんですかねえ。
今後も、喧嘩して、仲直りして、また喧嘩して、、を繰り返していくのでしょう。
愛して、愛されて、愛し合っても。
結婚式の花婿強奪から始まったこの話。
2011年の発行ですから、男性同士の恋愛も結婚も、今よりも風当たりは強かったことでしょう。
「笑っている顔なんかほとんど見たことがなかったよ」という芽吹の両親の笑顔の写真。それを見て微笑み合う二人。
密やかな誰もいない(はずの)教会での口づけ。
永遠の誓いを込めて。
よろしければこちらもどうぞ
紹介していたCDの動画リンクがなくなってしまったのは、やはり著作権侵害だったのでしょうか。残念です。
それならCD復刊して欲しいですよ、DIO様と花京院。配信でもいいですからさあ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?