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YUKI - 「永遠の私のスター」

先日、今年リリースされた、YUKIちゃんの12枚目のオリジナル・アルバムである「SLITS」のツアー、「YUKI concert tour “SUPER SLITS” 2024」に行ってきた。

YUKIちゃんのライブは、2008年にZepp Tokyoで観た、YUKI×銀杏BOYZの奇跡の対バン以来、実に16年ぶり。

私のイメージ的に意外と言われるのだが、日本人の中だとYUKI断トツで一番好きだし、恐らくトータルで一番楽曲を聴いているアーティストである。

そもそも、私がファンになったきっかけは、大学時代にやっていたイベント系の派遣バイトで、日本武道館で行われた「YUKI concert New Rhythm Tour 2008」のスタッフとして会場にいたからだ。

二日間の開催の内、一日目は場外で会場整理の仕事だったが、二日目のライブで、幸運なことにアリーナ最前列のポジションに配置され、YUKIちゃんのパフォーマンスをステージの目の前で見ることができたのだ。

JUDY AND MARY全盛期の頃は小学生で、TVから流れていた、「Over Drive」、「そばかす」、「クラシック」、「くじら12号」を聴いていたが、当時は、ただ何となくよく耳にする曲、くらいの認識だったと思う。

しかし、日本武道館で初めて目にしたYUKIちゃんのライブパフォーマンスに圧倒され、同時に懐かしさも込み上げて、そのライブの後すぐにJUDY AND MARYのCDを全て集めて、ソロになってからの作品もひたすらに聴き漁った。

高校時代のジュディマリ好きの友達と、ひたすらYUKIちゃんの魅力について語り合ったり、カラオケで、ジュディマリ・YUKIをオールナイトで歌ったりした夜もあった。

その後もずっと、YUKIちゃんの動向や作品自体は追い続けていたが、肝心のライブには長い間行けていなかった。

YUKIweb.net

そんな私が意を決してライブに行こうと思ったのが、昨年、YUKI名義のソロアルバムのアナログ盤が全作品リリースされたことで、猛烈にライブが観たくなったからだ。

即、全作品を購入し、YUKI熱が高まったタイミングで今年の新作リリースと全国ツアー。これは行くしかないと確信した。

ツアーのセミファイナルである12月21日、東京ガーデンシアターでのライブチケットを手に入れることができ、その日を心待ちにしていた。

ライブ当日は会場に到着すると、まずはグッズ売り場に駆け込み、「New Rythm Tour」の時に購入したタオルと同じ色のグリーンの大判タオルを購入し、既に胸は高鳴っていた。

三階バルコニー席の最後部に座り、18:00の開演と同時に、ド派手な光の演出で神々しく、キラキラ光る衣装を纏った神様が降臨した。

一曲目、「SLITS」からの「Now Here」でパワフルなパフォーマンスを披露すると、二曲目に「二人をつなぐ呪文は?」とC&Rする、YUKIちゃんの代表曲の一つ、「JOY」を歌い出す。

「JOY」が流れ出した瞬間、懐かしさと感動で熱いモノが込み上げ、気付けば涙が頬を伝っていた。

ハタチの時の過去の自分、友達と応募したバイト、楽しかったことも、苦しかったことも当時の思い出が走馬灯の様に駆け巡って感傷に浸ってしまった。

そして、YUKIちゃんは声量が半端じゃなくパワフルだ。ビブラートの効いたロングトーンが会場全体に突き抜ける度、オーディエンスから大歓声と拍手が巻き起こる。

文字通り、心が震え上がるほどにアーティストのソウルを全身で感受したライブは久しぶりで、終始、言葉に出来ないほど圧倒され、興奮の波がとめどなく押し寄せていた。

溌剌としたエネルギーの塊の様な、YUKIちゃんらしい、ポジティブでキュートなMCや彼女の世界観全開な映像演出、会場全体を一つにするC&R。全てが控えめに表現しても、“超…最高”すぎた。

個人的なハイライトの一つは、「Dreamin'」で歌詞中の「大好き!」をC&Rさせ、歌い終わりのMCで、この歌詞を書いてくれたのは銀杏BOYZの峯田君なんだけど、私だったら書かない歌詞だから、皆と大好きって言い合えるのが凄く嬉しい、みたいな発言をしていて、色々な感情が揺さぶられてジーンときた。(「駆け抜けて性春」を同じステージ上で歌っていたこととか思い出したよね)

また、「SLITS」の中でも特にお気に入りの曲である、「友達」を歌い出した瞬間、二回目の涙腺崩壊で泣きながらYUKIちゃんと一緒に歌った。

終盤の「Hello,It's Me」で、またしても会場の心を一つに纏めると、あっという間にラストの「風になれ」を全力で歌い切る。

最後に会場にいる全員をジャンプさせ、役目を終えた神様は、嵐の様にピョンピョン跳ねながら舞台袖に消えていった。

新旧、大好きな曲を沢山披露してくれた二時間のミュージカルの様なライブは、さながらジェットコースターの様に一瞬だった。

自己肯定感の高くない私に、いつも曲を通して元気を分けてくれるYUKIちゃん。毎日、自分のことも褒めてあげよう。なんだか自然とそう思えた。

冷たい夜風がビュービューと吹く中、ライブ中にMCで話していた宝物の様なメッセージを一つ、一つ大切に噛み締めながら、また次のライブも行きたいと一人、心の中で呟いた。

今年で52歳になったという事実もにわかに信じがたいが、YUKIちゃんは歳を経るほどに若返り、より力強く魅力的に、そして進化し続けている気がする。

―目を開けたまま夢を見て、そして私たちにいつも夢を与えてくれる。

「職業人気者、153センチのリアルファンタジー」は、ダイヤモンドや真冬の北の空の星よりもまばゆく輝き続け、色褪せることのない、永遠の私のスーパー・スターだ。

■2024年12月14日「YUKI concert tour “SUPER SLITS” 2024」@東京ガーデンシアター セットリスト(プレイリスト)

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