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どうせなら「心躍る結婚式」を

朝ドラ「虎に翼」8/22,23の回

婚姻届を提出せず、遺言書を取り交わすことにより結婚の契約をした寅子と航一。
弟の直明の合図で、行きつけの甘味屋の襖を開けると、そこには学生時代共に法律を学んだ、今は日本各地にいるはずの友人達が勢ぞろいしていた。寅子は愛する人との結婚を、愛する友人達に見守られ、祝福される。

午前8時、私は襖が開いた瞬間からおいおい泣いてしまった。なぜならそれが、数えきれないほど見た、あの映画のラストシーンにそっくりだったからだ。

「SEX AND THE CITY」劇場版第一弾。

すったもんだの末(まじですったもんだすぎ)結婚にこぎ着けたキャリーとビッグ。当初予定していたド派手な結婚式は取り止めて、家族も友人も呼ばず二人だけで、役所での簡潔な手続きにより正式に夫婦となった。
手続きを終え扉を開けると、そこにはキャリーの大切な友人であるミランダ、シャーロット、サマンサの姿が。それはキャリーのために、ビッグが用意したサプライズだった。(ちなみに私は、ビッグのいいところはこのサプライズをしたことくらいだと思っている)
そしてその後高級レストランではなく、馴染みの店で食事する。気取らず、お腹一杯、愛する人達に囲まれて、心ゆくまで気楽に楽しむ。

私はこのあまりにもハッピーなエンディングが好きすぎて、いつも少し泣いてしまうのだ。

「虎に翼」制作陣がこのシーンを知っていたのかはわからないが、もしかしたらSATC好きの伊藤沙莉ちゃんなら同じことを思ったかもしれない。
豪華な衣装や煌めくシャンデリアがなくたって、結婚した本人も、周りの人達も、そして視聴者も心から幸せを感じられたあの空間はまさに「心躍る結婚式」だった。

派手な結婚式が悪いなんてことは決してない。むしろ参列する側は楽しいし、ベタ中のベタな感動シーンで見本のようにちゃんと泣くから任せてほしい(何を)。
ただ、新郎新婦には式場の美味しい料理を食べる暇も余裕もないとか、久しぶりに会う人もいるであろう参列者とゆっくり話す時間がないとかが当たり前というのは、せっかく沢山の人が都合をつけて集まり迎えられた、記念すべきハレの日なのにもったいないなと常々思っている。会場の貸出時間やスケジュールの関係で制限があるのは理解できるが、一般的な日本の結婚式は肝心の主役が常に忙しない。人にもよるが、立場上そんなに親しくない会社の上司を呼ばなきゃいけないなんてこともよくある話で、しかもその後輩社員の結婚式に行きすぎご祝儀払いまくりでうんざりしているおじさん上司が新郎新婦の正面という最前ドセンの良席を陣取り、これまで懸命に育て一番近くで支えてきた親族が一番後ろの遠い遠いアリーナ後方埋もれ席なのはいかがなものか。なぜだ。なぜ、どういう過程でこのようなシステムができあがり、現代も尚当たり前のように継承されているのだ。腹痛めて産んだ子の人生最大とも言える転機を、なぜ遠くからスンとして眺めねばならぬのだ。親族は最前確保して当たり前では???私にはこの日本の結婚式のシステムがさっぱり理解できない。もちろん世の中そんな無礼な上司ばかりではないが、こういう人を式で目撃したのは実体験である。大切な友人の式で、ご両親にもお世話になっていたからこそ疑問に思ったし腹が立ったしまじかよ?!な感じだった。

というのは若干余談だが(長い余談だな)、個人的にはあのドラマや映画のような質素でこぢんまりとした祝いの場の方が、たくさんお祝いができるしお祝いされることができて、心から楽しむことができそうだと作品を見ていて感じる。今後もし自分が結婚式をすることになったら、そんな感じにしたいと思う。(そもそも友達少ないから自動的にそうなりそうだがハハ)

時代や国は違えど、失敗や困難を乗り越え、強く賢く生き抜いた女性の人生を描いた両作品には、似たようなパッションを感じる。私はこの手の話が大好きなので、いつもなら途中で諦めがちな朝ドラを、毎朝欠かさず見ることができているのだろう。
今後の展開も見逃せない!

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