わたしとポッドキャスト
教えたいけど
教えたくない
私だけが知ってる
すてきなおしゃべりを
誰にも邪魔されない
私だけの聴き方で
すべてのはじまり
たしか8年ほど前だったと思う。
ずっとその存在を確認していたけどタップせずにいた、
『Podcast』
そのあとからの理解はすごく早かったと思う。
これは、“私が聴きたい話が聴きたい時に聴ける”魔法のアプリ。
私の家庭はあまり教育に熱心でなかったので、大学進学を許してもらえなかった。でも、ずっと学びたいことはあった。
社会人7年目にして知識の泉を手に入れた高揚感と共に、私の生活は大きく変わった。
いつも何度でも
ポッドキャストは配信者さんが番組を削除しない限り、何度も聴ける。難しい内容でも繰り返し聴くことで、私の知識になってくれる。
こんな素敵なツールを、
易々と他人に教えたくない気持ちと
共有して意見を交わしてみたい
という気持ちが半分ずつあり
時々、心許せる相手には教えたことがあった。
でもどうやら定着しなかったようだ。
8年前はまだテレビが強く、youtubeが台頭してきた頃だったから。
ポッドキャストが私に与えてくれたのは知識だけではない。
当時、私が大切に思っていた人との別れ。
家族にも同僚にも多くは語れず、友人は気にしてくれていたが皆それぞれ家庭を持ち始めていたので、余計な心配はさせたくなかった。
そんな私が拠り所にしたのはポッドキャスト。
仕事が終わるとまっすぐには帰らず、
好きな番組を聴きながら夜の海辺を散歩した。
ちょっとした夜風で涙が溢れそうになる私を、イヤフォンから伝う楽しい声が私を笑顔にする。変わらないテンションで、いつも、何度でも私を前向きにしてくれた。
人生が変わる
私を支えてくれたポッドキャスト。
あれから私は、配信者さんにお礼の言葉を伝えたくてメールを送るようになった。さらにSNSを見ると、番組のリスナーさんを次々と発見する。
聴く番組を広げると、その輪はさらに大きくなった。
それは私にとって、優しく暖かい新しい居場所。
ポッドキャストを聴くすべての人は、そうであろうと思う。
聴くことで知識を得たり、元気が出たり。
きっとそうやってみんな一日を頑張っているのだ。
今日もポッドキャストを聴いている。
そうしてゆっくりと、私は私を取り戻していく。
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