【日記】2022年11月25日(金)/バナナ
雨戸を開けた途端、強烈な陽射しに差され、思わずしかめっ面になる。が、気持ちは正反対。曇天や雨の日とは比べものにならないくらい気分が良い。
そうして光合成を果たしたからなのか、それとも前日に胃袋を広げてしまったからなのかわからないが、激しい空腹に襲われて、たまらずバナナをかじる。
テニス好きだったおふくろの影響で、小さい頃から4大大会、特にウィンブルドンはよく観ていた。エドバーグ(のちにエドベリって呼称になったよね)、マッケンロー、レンドルから始まり、ボリス・ベッカーの登場で頂点に達した。
彼らが休憩中にかぶりつくバナナの黄色と、美しい天然芝の緑がたまらなく鮮やかで、「手っ取り早く栄養補給するのにいいのよ」というおふくろの言葉があのシーンを決定的にくっきりと焼きつけてくれた。
でも、テニスプレイヤーになろうとか、その関係に進もうと思わなかったのは、どこかに分不相応を感じていたからかもしれない。かといって、ボクシングが相応だというわけでは決してなく、心に突き刺さる度合いが違ったのだろう。
それにしても、たったひと晩だけであの満腹感はどこへ行ってしまうのだろうといつも思う。
バベルの塔のように積み上がった文庫を整理する。読み終わったものを書棚へ。読んでいない本を、とりあえず読む順番を決めて積む。写真ではまったくわからないだろうが、これでもかなりスッキリしたのだ。
こんなに日が照っていて、デジタル時計が表示する気温も高いのに、この部屋はなぜかいつもうすら寒い。なので、温かいはずの上階へ移動して、『父の詫び状』(向田邦子)の続き3編と、『岸辺の旅』(湯本香樹実)を読み始めた。
東京大空襲に遭った少女・邦子のくだりは、生々しくかつ、向田家のユニークさが表現されていて、凄惨さが見事に中和されている。
湯本さんの文章は初めて読んだが、一文の長さに相当な神経を遣っているのだろう。数えたわけではないのだが、おそらく長さがほとんど一定(長すぎず短すぎず)で、それが読み手にリズムを生み出させる。
録画予約していた今朝のNHK『あさイチ』を観る。プレミアムトークのゲストは小栗旬。もちろん『鎌倉殿の13人』の話で、三浦義村(山本耕史)、歴代妻3人(新垣結衣、堀田真由、菊地凛子)のコメントが揮っていた。そして、チーフ演出を務めた吉田照幸ディレクターのVTRが大変貴重だった。「役に臨む前からの緊張感と、演じている際の緊張は異なる。現場のムードでリラックスを作り出す。その大切さを痛感した」という小栗旬の言葉は、どの世界にも相通ずるものがある。要は、それぞれのベストを出せる雰囲気づくりの重要性だ。また、演じることへの繊細なこだわりと努力がビシビシと伝わってきて、「丁寧にコツコツとやっていかねばなぁ」と強烈な刺激をいただいた。
娘のライブ配信本番4日目(トータル10日目)。訪問者をピックアップしつつ、コメントもしっかりと拾い上げる。それをいい意味でマイペースで、ゆったりと落ち着いてこなす。10日目ともなれば、こんなふうになるのだなぁと、妙に感心。
今日は『トリセツ』(西野カナ)と『そっけない』(RADWIMPS)の2曲。これまで彼女が歌ってきた曲は、ほぼ知らないものばかりなので、配信終了後、YouTubeで復習する毎日。いや、だからといって、何になるわけではないのだけれども。
1日の〆のヨーグルトは欠かせない。