建築士になった元・自衛官 「学び」がもたらすキャリアの機動力
※本記事は過去にビズリーチに掲載したもので、掲載当時の内容となります
「とにかく、新しいことを知るのが好きなんです」。福家直矢さんはそう話します。起業、自衛隊入隊、建築士として独立――。一見、とりとめなくも見えるそのキャリアは、実は福家さんの尽きることのない知識欲の産物です。現場のことも、設計のことも、制度のことも。誰よりも詳しくありたいと願い、今は宮崎県の注文住宅メーカーに勤める男性のキャリアをひもときます。
仕事とは発見を与えてくれるもの
同僚の隊員は嫌がったが、福家さんは陸上自衛隊の野営演習が好きだった。簡単に言ってしまえば、「山ごもりのサバイバル訓練」。場合によって訓練期間は1カ月にも及び、人によっては「思い出したくもない」と語るほど、訓練は過酷だ。
だがそんな訓練の様子を、福家さんはまるで旅行の思い出かのように楽しそうに話す。 「サバイバル訓練って発見の連続なんですよ。あらゆる地形、気象を克服し各種任務の遂行にあたります。そうすると、どんな場所にどんな植物が生えているか、季節でどう環境が変わるか、人がそこで過ごすためにはどんなことを考えなければいけないかなど、普段は気づかないことに気づきます。自衛隊は、他では絶対に学べないようなことを非常に体系立てて教えてくれるすごい場所でした」