マーケティングベーシック
マーケティングとは・・・ 特定市場(顧客)のニーズを理解して、「売れる仕組み」 をつくること。製品・サービスそれ⾃体を含むとされています。
ドラッカー氏の言葉で言い換えるならば、
「マーケティングはセールスを不要にするもの」となります。
この記事では、そのマーケティングの基本と今の時代にあったマーケティング方法へのチェンジについて解説していきます。
この記事を読んだあとのあなたは、、、
マーケティングの基本的な流れを理解することができます。
4P、STP分析は古すぎる考え方であることが把握できます。
具体的なフレームワークを知ることができます。
マーケティング戦略の位置づけ
マーケティング戦略︓ 事業戦略の実現のために、環境やニーズの変化 に適合した事業活動をコーディネートする⾏為。
企業理念、ビジョン︓ 企業が普遍的な価値観として対外的に掲げるも の。企業が⽬ざす⻑期的な将来像。(どういった 具体的な価値を創出するのかを⽰す)
全社戦略︓ 全社の⽬標とそれを達成する⽅策(事業領域、 事業ポートフォリオ、強み、リソースの配分)
事業戦略(事業部戦略)︓ 個々の事業部の戦略。特定の製品・サービス分 野をある競合環境下で事業展開する⽅針。
マーケティング戦略策定のフレームワーク
マーケティング戦略を立案する流れは以下の通りです。
まずは、事業の方針を固める必要がありますので、環境分析(SWOT分析・5FORCE分析など)や自社分析(3C分析、バリューチェーン分析・VRIO分析など)を通して、事業機会を発見します。
マーケティング戦略はこの後に行う工程となります。
その主なステップは、市場の細分化→ターゲット市場の確定→ポジショニング→マーケティングミックスです。
このマーケティング戦略立案のステップで使用するフレームワークは
市場の細分化・・・Segmentation
ターゲット市場の選定・・・Targeting
ポジショニング・・・Positioning
マーケティングミックス・・・4P(• Product • Price • Place • Promotion)
とされているのが、これまでの考え方でした。
しかし、今の時代にはミスマッチな考え方であると考えられます。
それは大量生産時代(店に置けば売れる時代)の考え方がベースとなっているためです。
特に4Pに関しては、売り手目線のフレームワークとなっており、あくまでもプロダクトアウトの思想が根強く、顧客ニーズを起点としていないことが問題点です。
そのため、ここでは
4P分析ではなく→4C分析を
STP分析ではなく、TSP分析を提唱したいと思います。
そもそも、各マーケティングステップは何を目的としているのか?を先に整理しましょう。
市場の細分化・・・顧客の好みや価値観を軸として、市 場を同質的ないくつかの集団(セ グメント)に分解することが「セグメ ンテーション(市場細分化)」
ターゲット市場の選定・・・セグメントの魅⼒度を評価し、どの セグメントに向けてマーケティング活 動を⾏うかの選択が「ターゲティング 」
ポジショニング・・・セグメントの魅⼒度を評価し、どの セグメントに向けてマーケティング活 動を⾏うかの選択が「ターゲティング 」
マーケティングミックス・・・STP(TSP)を実現するための、重要な意 思決定の分類(Product, Price, Place, Promotion→4Pではなく4C)の 枠組み
ひとつずつ解説していきます。
【1】市場の細分化(セグメンテーション)
セグメントとは、市場を分割する事
市場を分割するということ=人のニーズに沿って市場を切るということです。
例)お酒市場を人のニーズで区切ってみると、、
こんな分け方ができると思います。
そもそも、なぜわける必要があるのか?
それは最小予算で最高効果を得るためです。
※すべてのニーズに応えようとするとコストが莫大にかかってしまうので
人のニーズによって市場を切ることが重要
ただ、ニーズを切るにあたっては根拠が必要です。
この次の章では、最小予算で最高効果を見出すセグメントの
正しいやり方について解説します。
4つの変数に基づき決める
市場のニーズを区切るための根拠、、それは
4つの変数に基づきニーズを具体化させたものを指します。
①人口変数|年齢、年齢層
②地理変数|世帯・職業・性別・年齢要素によってコンセプトを変更
(例_整体⇔リラクゼーション)
③心理変数|LOHAS「Lifestyles of Health and Sustainability」=
「健康的で持続可能な生活様式」
「メンタルアカウンティングなどを重視したビジネス展開」
④行動変数|ロイヤリティ・求めるベネフィット性など
(例_タクシーに乗り心地を求めるかスピードを求めるか)
①~④を考慮しながら市場を区切ることをセグメントと言います。
が、しかし、、このステップではもう今の時代に合っていないのです。
セグメント → ターゲット → ポジショニング
この手順が教科書通り・セオリーなやり方ですが
このフレームワークは古くなってきている可能性があります。。
【2】ターゲット=セグメント区分を選ぶための根拠
これまでのマーケティングでは、市場を人のニーズで区切ったあと
さらに、ターゲットによって市場を分割することが良しとされていました。
この「ターゲットを更に絞る作業」というのが時代遅れであることが
本章で最もお伝えしたいことです。
では、新時代においてターゲットを絞るとはなんなのか?
それは、セグメントの根拠となるもので仮説立てと検証を行うことです。
これまでのSTP分析は
❶セグメンテーションを行い、更に❷ターゲティングで市場を分割していました。
ですが、これからはSTP分析ではなく、TSP分析が正しいと考えられます。
4つの変数をもとにターゲティングを行い、これを<根拠>として
市場をセグメントすることが今唱えられいる新たな分析方法です。
ここまで「STP分析は古い」ということについてお伝えしました。
4つの変数で仮説立て
まずは上述の通り、
4つの変数に基づきターゲットの<仮説立て>を行います。
例
①人口変数:お金はあるけど時間ない
②地理変数:オフィス街での競合の少なさと需要の多さ
③心理変数:髪を切る行為に時間をお金をかけたくない
④行動変数:髪を切るというのは突発的なこと
これらの仮説によって、事業展開されているのが
1000円カットでお馴染みの「QBハウス」です。
<仮説>が立てられたら、<検証>を行うのはセットですよね。
その市場はどこにあって(エリア)
誰によってつくられていて(顧客)
誰が満たしているのか?(競合)
こんな観点で検証を行うのが、6Rというフレームワークです。
ターゲティングの6R
Realistic scale(有効な規模):マーケット(市場規模)は適切か
Rank(優先順位):ユーザーにとって優先度が高いものか
Rate of growth(成長率):成長する市場か
Rival(競合):競争が激化していないか
Reach(到達可能性):ユーザーに到達はできるのか
Response(測定可能性):反応を測定できるか
上記の6つの頭文字をとって「6R」と名付けられました。
これらの問いを通じて、仮設が正しいものなのかどうかを検証してみてましょう。
→これらは新規事業・または軌道修正に役立てることができます。
ターゲティングの⽬的は活動効率の向上
→そのためには︔
• 上⼿に翻訳 – ムダがなく、定量化・アクセス可能
• ヌケ・モレ・ダブリのないセグメンテーションの 軸を選ぶこと –軸は相互に独⽴
• ある程度以上の規模のターゲット –軸は2つか3つ
特にひとつ目の「どんな層なのか上手に翻訳すること」は効果的です。
例えば、「カフェイン入りのガム」を売りたいとして
どこをターゲットとするのかを見つける際に、翻訳できると
「睡魔に負けずに頑張りたい人」と言い換えることができます。
とすると、ターゲットとなるのは「受験生」や「長距離ドライバー」が対象になると思います。
このように翻訳が正しくできれば、どこに行ったらターゲットと会えるのか明確になる(アクセスが可能)ということになります。
商品・サービスに対する消費者の好みや価値観を、抽象的で捉 えどころのないセグメント(抽象的セグメント)から、具体的で 測量及びアプローチをすることが可能なセグメント(現実的セグ メント)に翻訳することが重要です。
【3】ポジショニング
他社製品と⽐較して、⾃社の製品が顧客の意識の中で独⾃のポジション を占めるようにすること。⽬的は、優位に⽴つ、または「棲み分け」を図ることにあります。
1.顧客の特定のベネフィットや価値を与える(ベネフィット・ポジショニング)
2.価格vs価値を訴求する(バリュー・ポジショニング)
3.2つの価値軸を使って⾃社の独⾃性を 強調する(パーセプションマップ)
ポジショニングとターゲティング
ポジショニング検討ステップ
1. ある特定の商品・サービスに対して、ターゲット顧客が特に重視する「 価値」をリストアップ
2. リストアップした価値のなかから、⾃社製品が優位に⽴てる、あるいは 独⾃性をもてるいくつかの「価値」を⾒出す
3. ⾒出せなければ、別のターゲットを探すか、製品の機能開発を⾏うか
4. ⾒出せれば、ポジショニングをどうターゲット顧客に伝えるか(ブランデ ィング、プロモーション、etc)を考える
【4】マーケティングミックス
ここまではどうありたいかの絵に描いた餅状態ですので、これをどのやっていくか具体的に実現するための手段がマーケティングミックスであり、4Pです。
「4P」とは、4つのPからなる単語の頭文字を集めたものです。
4つの単語とは、以下のものです。
・製品(Product)
・価格(Price)
・流通(Place)
・販促(Promotion)
つまり、「どのような製品を、どのような価格で、どの流通経路で、どのように販促していくか」ということを「企業側」の視点から考えることが基本の軸となります。
しかし、これは一昔前までの考え方となっています。
これがこの記事で伝えたいことの2つ目です。
このままで売り手の企業目線でマーケティングを行っても、顧客が何を求めているのか把握せずにマーケティングを行うことになります。
そこで重要なのが、買い手の顧客目線で考えることであり、それが4C分析です。
こちらも同じく4つのCからなる単語の頭文字を集めたものです。
4つの単語とは、以下のものです。
・顧客価値(Customer Value)
・経費(Cost)
・顧客利便性(Convenience)
・コミュニケーション(Communication)
つまり、「顧客が受ける価値はどのようなものか、顧客が費やす費用や時間はどれくらいか、顧客が入手しやすい状況とはどのようなものか、顧客が望む情報を届けているか、顧客の声が届いているか」を「顧客側」の視点でメインに考えるマーケティングです。
もともと4P分析が主流の時代というのは、まさに「プロダクトアウト」全盛のときです。
プロダクトアウトとは、商品開発や生産を行う際に、顧客の視点を重視せず、作り手サイドの計画を重視する方法です。
つまり、世の中は、次々に新製品が開発されていく途中の時代でした。そのため、これまでになかった新しい機能が追加されれば売れたのです。
「新製品」というだけで、顧客側は選ぶこともできず購入するしかなかったといえます。
企業が同じような製品を開発し、企業間において、商品、製品、サービス自体に差がなくなってきます。
こうして、プロダクト重視でのマーケティングは限界となりました。
そこで登場したのが、4C分析です。
最後までご覧いただきありがとうございました!!
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