すぐおいしい、すごくおいしい
★安藤百福さんがチキンラーメンを開発するまでのエピソードには、顧客目線の重要性が多く詰まっています。
第二次世界大戦後の日本は食糧難でした。安藤百福さんは衣食住と言うが、食がなければ衣も住も、芸術も文化もあったものではないと思い、誰もが手軽に食べられる食品を作りたいと強く願っていました。
戦後間もない頃、彼は公園で長い列を作っている人々を見ました。その列は、焼きそばを売っている屋台に向かっていました。この光景を見た安藤さんは、「日本人は麺が好きだ、これはビジネスのチャンスだ」と直感しました。
彼はすぐに、大阪池田市の自宅の裏庭に小さな研究室を作り、試行錯誤を重ねました。何度も失敗を経験しながらも、彼の情熱は衰えることなく、ついに1958年に「チキンラーメン」を完成させました。しかし、ここで終わりではありませんでした。
安藤さんは商品を市場に出す前に、家族や友人、そして近所の人々に試食してもらいました。そのフィードバックを基に、味や包装、調理方法を改良していきました。特に彼が重視したのは、主婦たちの意見です。忙しい毎日の中で、簡単に調理できる食品が求められていることを理解していました。しかし、製品を市場に出したところ、実際にはサラリーマンや学生など、幅広い層が買い求めることがわかりました。そこで彼は、商品のパッケージや宣伝方法を見直し、幅広い顧客層に対応できるようにしました。これが成功の鍵となり、瞬く間に「チキンラーメン」は大ヒット商品となりました。
安藤百福さんは顧客目線でニーズを見つけ、顧客が本当に求めるものを提供することで、革新的な製品を生み出しました。結果想定していたものと違うところから大ヒットとなりましたが、顧客目線の大切さを教えてくれるエピソードです。