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「ナイショ」の関係が持ちづらい、自分を打ち明けづらい人ほどジャーナリングが有効

「ナイショの関係」とは、東畑開人氏の著書『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』で紹介されている言葉だ。
いわゆる利害関係ではなく、より親密に本音をさらけ出し合える1対1の関係性を指し、お互いに“ホンネ”を開示できる状態を意味している。
しかし、実際にこうした関係を築ける人は多くない。身近に誰もいなかったり、打ち明けるのが苦手だったりして、“ホンネ”を話す場所を持てずにいる人は少なくないだろう。

本記事では、そんな「ナイショの関係」を築きづらい人でも、本音を吐き出して心の負担を軽減し、思考を整理するための方法としてジャーナリングを活用するアイデアを紹介する。さらに、ここ1~2年で進化した生成AI(例:ChatGPT)を組み合わせる方法にも触れる。



「ナイショの関係」が持ちづらい背景

  • 親しい人がいない、あるいは相談できる相手が少ない
    親しい人はいても、相手ばかりの話を聞いて自分の話はできない、信頼できる関係だと思っていても本音は出せない、などのケースがある。

  • 自分のことを打ち明けるのが苦手
    人に頼らずに抱え込んでしまう性格や、「どうせわかってもらえない」という思い込みが強い人は、自分のホンネを話すハードルが高い。

  • 安心して赤裸々に話せる“場”がない
    仕事やコミュニティ内で気軽に本音を言うと、評価や利害に影響しそうで怖い。そんな人間関係の中では、本音を封じ込めがちになる。

一方で、“ホンネを吐き出す”ことは心の健康にも大切である。
自分が感じている悩みや不安、願望などを言葉にするだけでも、自分で意識していなかった部分を再確認し、気持ちが軽くなる効果がある。


1. ジャーナリングによる自己開示と整理

ジャーナリングは「自分だけのために本音を書き出す行為」であり、他者の評価や目線を一切気にしないで済む。

  • 赤裸々に書く重要性
    自分以外には見せないと割り切って書けば、気まずいことや恥ずかしい感情、社会的に言いにくい本音も吐き出せる。

  • 書くことで自分を客観視できる
    感情を文字にする過程で「自分はこんなことを思っていたのか」と新しい発見を得やすくなる。

具体的ステップ

  1. ノートやアプリで毎日5分でも書く
    頭に浮かぶことをなんでも書く。最初は愚痴や不安だけでもよい。

  2. 赤裸々に向き合う
    「これはさすがに書いちゃいけないのでは…?」と遠慮せず、思考をそのままアウトプットする。

  3. 時々振り返りを行う
    書き溜めたノートを読み返すと、自分の考え方の変化やヒントが見えてくる。


2. 生成AI(ChatGPTなど)で「ナイショの相談」を疑似体験

ここ1~2年で話題になった生成AIは、相談相手としても非常に便利なツールだ。

  • 秘密を守りつつ相談できる
    AIは人間ではなく、会話の内容を対人関係で広げることがないため、「誰にも言えない本音」を遠慮なく打ち込める。

  • 思考の壁打ち相手になる
    ChatGPTなどに悩みや状況を整理して入力すると、「こう考えられませんか?」といった示唆を返してくれる。人間の視点とは違うが、それが新しい発想につながる場合も多い。

  • 文章化の手間を省く
    必要なときは「こんな悩みを抱えていて…」と書くと、要点をまとめたり質問を返してくれたりする。
    その対話をコピーして後で読み返すだけでも、ジャーナリングに近い効果を得られる。

注意点

  • 個人情報や機密情報は避ける
    AIとのやりとりはサーバー側に保存される可能性があるので、過度にプライバシーが侵害される内容は取り扱いに注意。

  • 万能ではない
    あくまでAIの生成能力を利用するので、精神科医やカウンセラーのような本質的なカウンセリングがしたい場合は専門家を頼るほうが安全。


3. ナイショの関係がなくても得られる安心感

  1. 本音を書くだけで“カタルシス効果”
    自分の感情や悩みを言葉にする行為は、カタルシス(心の浄化)を生み出し、気持ちの整理につながる。

  2. 生成AIの「疑似相手」で壁打ち
    人に言えないことでも入力すれば、AIからの反応が返ってくるので、思考が加速しやすい。

  3. 自分の理解が深まり、自己肯定感が育つ
    ジャーナリングで“こんな自分もいるのだ”と認められるようになると、心が軽くなる。


4. 実践ポイント

  • 書く場所・方法を決める
    紙のノートでもアプリでもよい。重要なのは「自分が安心して書けるか」。

  • AI活用時の設定
    ChatGPTなどに対して「自分が本音を吐き出す場」であることを想定し、プライバシーが気になるなら固有名詞を出さないなど工夫をする。

  • 定期的な振り返り
    ある程度書き溜めたら読み返す。成長や考え方の変化を客観視できる。


まとめ

「ナイショの関係」があれば、本音を語り合える場として最高だが、現代社会では誰もがそれを得られるとは限らないし、打ち明けるのが苦手な人も多い。
そうしたときこそ、ジャーナリングを活用するとよい。

  • 自分だけのノートに赤裸々に書き出す

  • さらに、AIなどのツールを使って“壁打ち”しながら思考を整理する

これらの方法なら、誰にも知られることなく安全に自分の内面を吐き出し、冷静な視点で悩みを整理できる。
ナイショの関係がないからこそ、自分が自分の本音を受け止める術を身につけることが重要であり、ジャーナリングはその強力な選択肢となるはずだ。

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