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ひとり起業家(個人事業主)の必須知識「確定申告ロードマップ」

こんにちは。のりこです。

今回は、ひとり起業をした個人事業主の方が、自分で確定申告を行う上で知っておくべき必須知識をわかりやすくまとめました!
まわり道をすることなく、確定申告を終わらせるまでの最短ルートをお伝えします。

個人事業主が自分1人で確定申告を完結するための1番の近道は、
その全体像と流れを最初に理解することです。

多くの人は確定申告の直前になって焦り、混乱したままとりあえず力技で提出して終わります。
正しいとか間違っているとか、そんなことは二の次です。

今こちらをご覧の方の中にも、
・開業初年度で、どこから手を付けたらいいかわからず、何もしていない
・毎年、確定申告の時期に強いストレスと不安を感じている
・提出するのが精一杯で、節税や損得の話なんて別次元の話に感じる

こんな状況の方がいるかもしれません。でも大丈夫です。

この先を読み進めることで、その状況から脱することができます!

今回、こちらの記事を読んでいただくことで、記帳・確定申告の代行サービスを提供しているプロのノウハウを知ることが可能です。
「何をどの順でやればいいのか」がわかれば、漠然とした問題は驚くほどシンプルになります。
ぜひ、ひとつずつ読み進めてみてください。


①個人事業主の確定申告が難しい理由

🔔確定申告に対する一般の認識

個人事業主になると確定申告が必要になるのは、多くの方が知っていることです。
でも、個人事業主になったことがない人からすれば、数枚の書類を提出する手続きの何がそんなに大変なのか、イメージがつかない方も多いと思います。

医療費控除などで、自分で確定申告をしたことがある人なら、
「初めてだから不安だったけど、e-Taxを使ったらできたよ!」
ということで、確定申告はそんなに難しくないと感じたかもしれません。

でも実は、会社員などが自主的に行う確定申告と、個人事業主が義務的に行う確定申告では、最終的に確定申告を行うまでのステップにかなりの違いがあります。
会社員が1だとすれば、個人事業主は10くらいの差があるんです。

***

🔔会社員と個人事業主の確定申告の違いとは?

いったい何がその違いを生んでいるのでしょうか?
その違いを具体的に知ることで、必要なステップの大枠が見えてきます。
ここからは、国税電子申告・納税システム、通称「e-Tax」で確定申告を行うことを前提に解説をしていきます。

まず、会社員の場合、所得に関する情報の入力は、会社からの給料以外に収入がなければ、会社から受け取った源泉徴収票の内容を転記するだけで終わります。

一方、個人事業主の場合、1年分の売上と経費をそれぞれ計算し、最後に売上から経費を引いて求めた金額を所得として入力することになります。

・会社員は1枚の紙に書かれた数字を転記するだけ。
・個人事業主は大量の資料をもとに、自分で金額を集計・計算してから入力

e-Taxに情報を入力するまでの労力が、明らかに違うことがおわかりいただけると思います。

ちなみに、会社員は年末調整があるので、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除などの「所得控除」の内容も、既に源泉徴収票に反映されています。
そのため、これらの情報も、源泉徴収票から転記するだけです。
(※医療費控除がある場合は、確定申告の際に、自分で計算・入力します)。

一方、個人事業主は、これらの「所得控除」について、自分できちんと資料を揃えた上で、漏れなく適切な箇所に入力する必要があります。
知識がないと、どこにどの情報を入力するのか、そもそも自分が何の所得控除の対象なのかがわからず、頭を悩ませることになります。
ただ、それよりはるかに複雑で手間がかかるのが、売上と経費の計算なんです。

***

🔔個人事業主の売上と経費の計算が想像以上に難しい理由

ここまでの説明を読んで、おそらく多くの方の頭の中では、
「個人事業主の確定申告は、請求書や領収書を集めて電卓で計算するのが面倒ってことなんだね」
という理解が生まれたと思います。

確定申告前に大量の請求書や領収書をかき集めて、ひとつずつ電卓で足し算する…その状況を想像すると、地味に面倒です。
でも、ここまでなら自力でなんとかなりそうな気がします。

ただ、それだけで済まないのが個人事業主の確定申告。

一般的な確定申告では、確定申告書の第一表と第二表の2枚を作成して提出します。
しかし、個人事業主の場合は、それに加えて収入(基本的には売上)と経費の内訳を記載した表も作成して提出する必要があります。

経費は取引の内容(何にお金を使ったか)ごとに分類して集計することになりますが、ここでひとつの壁が登場します。

いわゆる「簿記」の知識です。

取引の内容の分類項目は、専門用語で「勘定科目」と呼ばれます。
簿記の知識がなくても、「旅費交通費」や「交際費」なら、イメージつくかもしれません。
でも、おそらく「租税公課」や「減価償却費」はわからない人が多いのではないでしょうか?
簿記の知識をもとに、勘定科目ごとに分類・集計する、この作業ができないと経費の内訳表が作成できません。

しかもルール上は、勘定科目ごとに足し算をするだけでは足りないんです。
いつどんな取引があったのか、詳細を帳簿に記録しておく必要があります。
イメージで言うと、家計簿のようなものです。

この帳簿に記録する作業のことを、専門用語で「記帳」といいますが、個人事業主の確定申告は、この「記帳」を行うことが前提になっています。

そのため、領収書などの合計金額さえわかればOKとはならないのです。
会社員と個人事業主の確定申告の大きな違いは、この「記帳」という作業があるかないかです。

一般的に確定申告というと、直前だけ慌ただしいイメージだと思います。
実際、会社員の場合は確定申告だけすればいいので、直前期にちょっとした作業だけで終わります。
でも、個人事業主の場合は、確定申告の前に記帳を終えておかないといけません。
記帳は本来、1年を通して行うものなので、もし1年分の記帳を放置していたとしたら…直前期に大変な思いをすることになります。

何をすればいいのかが具体的にわかっていて、そのやり方もわかっているようであれば、直前でもなんとかなります。
ただ、何をすべきかわからないまま、ずっと放置して直前期を迎えた場合は、かなり厳しいです。

***

🔔節税制度を利用するためのさらなる壁とは?

だんだんと気が重たくなってきた人もいるかもしれません。
でも、まだまだ先は続きます。

確定申告には「青色」「白色」の2種類があるとご存知の方もいると思います。ここまで説明してきた内容は「白色申告」を行うための手続きです。

では、「青色」と「白色」では何が違うかというと、「青色申告」は家計簿レベルの帳簿ではなく、複式簿記という方法で専用の帳簿を作成する必要があります。

複式簿記は、取引を「借方(左側)」と「貸方(右側)」に分けて記載し、左右の合計金額が一致するように帳簿に記録する方法ですが、これは義務教育で学んだ知識とはまったく関係のない内容なので、習得するまでにそれなりの時間がかかります。

それに加えて、青色申告では、確定申告で提出する書類も増えます。
白色申告では、原則として確定申告書2枚と収支内訳書1枚を提出すればOKですが、青色申告では、確定申告書2枚に加えて、青色申告決算書4枚を提出する必要があります。

白色申告の場合の収支内訳表
青色申告の場合の青色申告決算書

この青色申告決算書は、その場で電卓を叩いて作成できるような書類ではありません。複式簿記で作成した帳簿がないと作成できないんです。

そんな面倒なことをしてまで青色申告をする意味はあるのか。
大いにあります。
青色申告には、大きな節税効果があるからです。

青色申告は、定められた帳簿を備え、記帳し、その記録に基づいて確定申告を行うことを条件に、税務上の特典が与えられるという制度です。

ある程度の所得がある人であれば、青色申告を行うことで、毎年10万円から数十万円の節税が可能になります。

ここまで解説した条件を満たす必要がありますが、青色申告は、ルールさえ守れば手堅く実現できる話なので、手間をかける価値は非常に大きいです。


②個人事業主の確定申告に必要な作業

📄記帳・確定申告の関係性と作業の順序

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