自分と向き合い、徹底的に言語化する。リーダー研修の「宿題」がもたらす変化
こんにちは! あきた創生マネジメント代表の阿波野聖一です。
前回のnoteでは、私たちの「働き方改革」の軸のひとつである、「リーダー育成」についてお伝えしました。創業10周年を迎えた2021年にスタートしたリーダーマネジメント研修も、今年で2期目となります。今回のnoteでは、どのような研修を行っているか、もう少し詳しくお伝えしていければと思います。
1. リーダー研修はオンライン開催&自由参加
私たちのリーダーマネジメント研修は月に1回、6カ月間に渡って行います。座学はビデオ会議ツール「Zoom」、振り返りはLINEWORKSを使ってやりとりしています。
介護事業所の社内研修というと、まだまだリアル開催のイメージが強く、大手法人ならいざ知らず、社員総数70名程度の小さな法人でオンライン開催していることに驚かれることもあります。
しかし、オンラインで実施しているのにはいくつかの理由があります。 まず、私たちのリーダーマネジメント研修は、上司が候補者を選び、研修受講を打診する仕組みではありません。現職のリーダーはもちろん、リーダーを目指すスタッフも本人が希望すれば、誰でも参加できます。研修が行われるのは勤務時間内ではなく、勤務時間外です。つまり、研修に参加しているメンバーは、全員がプライベートな時間を使って、学んでいます。
この研修が会社の一室に集まってのリアル開催だとしたらどうでしょうか。休日にわざわざ、研修だけのために出社しなくてはなりません。その点、オンライン開催であれば、どこからでも参加できる利点があります。また、全国から社外講師の方をお招きしやすいのも、オンライン開催のメリットです。先日は株式会社新規開拓の代表取締役である朝倉千恵子先生に講師としてご登壇いただきました。さらに、熱と優しさ、心のこもった言葉で弊社の歩みと大事にしてきたことをVoicyでたくさんの方々にご紹介いただき、本当に感激でした。
2. ”完璧なリーダー”という幻想を手放す
私たちの研修では「宿題」を大切にしています。参加メンバーには講義の振り返りに加えて、テーマに関連する動画、音声配信などを視聴した感想を毎回、提出してもらいます。
最初はみんな戸惑います。想いはあるのに、うまく言葉にできず、歯がゆい思いをします。普段、介護職としてケアに従事しているとき、自分の意見を覚悟を持って伝えることが求められる場面は想像以上に少ないです。
「会社の方針だから」「上司・リーダーに指示されたから」「先輩がそう言ったから」と、自分を押し殺すことに慣れてしまうと、いざ意見を言える環境・立場になっても、今度は何も伝えられない自分に愕然とすることになります。
リーダー研修の中で「宿題」を通じて、こうした個々の課題も浮かび上がってきます。例えば、何か意見を述べるときに「自分はそう思っていないけれど、他の人がそう言ってた」と誰かのせいにしてしまう。どこか責任を逃れるような言い回しを使ってしまう。こうした癖は指摘し、素直にストレートに想いを伝えられるよう、一緒にトレーニングを重ねていきます。
なぜ、持って回った言い方をしてしまうのか。その背景には「リーダーは完璧でなくてはいけない」という誤解があります。リーダー自身も「完璧なリーダー」を求め、その理想像と自分のギャップに苦しんでいます。”完璧でなくてはいけない”という思い込みが高じて、できない自分をごまかしたり、大きく見せようとしたりして、チームメンバーの信頼を失っていく……という本末転倒なことが起きているのです。
リーダーに必要なのは「完璧であること」ではありません。人間だれしも、ダメな部分も、弱いところもあります。強味をしっかり伸ばすとともに、弱さから目を背けることなく、受け止めることが大切です。また、弱さをリーダー自らがさらけだせるかどうかも、チーム内の「話しやすさ」を左右します。
例えば、スタッフと「1 on1面談」をしたとします。リーダーが自分のことは何も言わず、「困っていることはないか」と尋ねたとしたら、どう思うでしょうか。「とくにないです」「困っていません」と答えたくなりませんか。正直に答えたら、何か不利なことがあるのではと不安になるのではないでしょうか。
リーダー自ら弱みをさらけだし、失敗談も積極的に伝える。”しくじり”を隠さず話すことが、「正直に話しても大丈夫な場である」と心理的安全性を生み出すのです。
3. 成長し続けるリーダーたちと今後の展望
2021年度は「想いをカタチに・言語化し想いを他者に伝えること」、2022年度は「ブレない軸(コンパス)を創るために」をテーマに、学びを深めてきました。
研修を経たリーダーたちの成長は目覚ましいです。自分の考えを、自分の言葉でしっかり伝えられる。不慮の事態に直面しても落ち着いて、リーダーシップを発揮できる頼もしさを日々感じています。コロナ禍や自然災害等の影響もあり、目まぐるしく社会状況が変化していく中、現場を率いるリーダーたちが着実に力をつけているのを実感しています。
今後はグローバルメンバーにも、リーダーとして活躍してもらいたいと考えています。また、これまでのリーダー研修では外部講師の方に力添えいただきながら、私がメインの講師役を務めてきましたが、こうした教育担当も次の世代に移譲していきたいとも考えています。
教えることで教えられる。共に成長していく。私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。この記事を読んでくれた皆さんにもぜひ、興味関心を持っていただけたら、秋田に来ていただけるとうれしいです!