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鴨川ホルモー 万城目学
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万城目学さんの作品は変わったタイトルの物が多いが、デビュー作のこれなどその最たるものだろう。
「ホルモー」って何やねん?と思いながら読んでみた。
京都大学出身の著者らしく舞台は京都。馴染みのある場所や地名が出てきて
その光景を思い浮かべることができた。
物語は京都大学に入学したての主人公、俺こと安倍がひょんなことから後に親友となる高村と葵祭のエキストラのアルバイトで知り合い、更に奇妙なサークル?に誘われる所から始まる。サークルの名前は京都大学青龍会。
う~ん主人公の名前が「安倍」、友人の名前が「高村」しかも
サークルの会長スガ氏の名前が「菅原真」、でサークルの名前が青龍会って。更に舞台は京都…
歴史上のあの人物や陰陽道と何か関係があるのだろうと思いながら読み進めた。やはり…ホルモーとは式神というのか鬼と言うのか(便宜上、式神と言わせてもらうが)を使って1チーム10名で戦う対戦型の競技ということである。やっぱり安倍は安倍晴明からだったかと物語の前半で理解できる。
詳細は本書を読んでいただくとして、式神を使う以上色々と儀礼的なことや
厳密な規則もあるわけで戸惑いながらもなぜか馴染んでいく主人公の優柔不断さ、またはそのように運命付けられているのかが面白い。
吉田神社での代替わりの儀などはその最たるものである。今時、誰もこんなことやらんやろというようなことを安倍も高村も他のメンバーも戸惑いつつも付き合ってしまう所が滑稽である。
そしてサークル内で気の合わない芦屋との確執に三角関係のもつれも加わってサークルは分裂の危機に。
ありがちだが最後は他大学(京都大学以外の三大学。これらもそれぞれの名前があり、ホルモーをしている。)も巻き込んでホルモーで決着をつけることに。
果たしてその結果やいかに。また恋の行方は?
安倍晴明、陰陽道と聞くとかた苦しく考えがちだが、この物語は小難しく考えることなく(多少、式神の行動がイメージしにくいが、それほど気にする必要はない。)若者達の青春コメディーとして読めば面白いと思った。