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自由詩

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韻律と意味だけの世界へ
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記事一覧

さよなら人類

さよならおまわりさん さよならジソウの人 誰も 玄関のこちら側に 辿り着かないね インター…

ビワシュ
2か月前
2

【自由詩】拒む君へ

アル中ハイマー、と君は笑った 酒を飲まねば 酩酊せねば 自分の意見も述べられない 深刻な問…

ビワシュ
2か月前
1

戦争トラウマ

男が戦争に駆り出されます そして地獄を体験します 生き延び故郷に帰ります 男は女子供に向か…

ビワシュ
2か月前

しまかぜの扉

子供と暮らすようになるまで 電車に種類があることも知らなかった 形も 車両の数も違う そん…

ビワシュ
2か月前
6

老水夫の海へ

明け方 南の空に月食が見えると聞いた かつて詩人のコールリッジは それに似たものを彼の地で…

ビワシュ
2か月前

やんぐけあらあ

お母さんがあんななら 付き合えないよ と 異口同音に みんな言った 親は 選べるものでは…

ビワシュ
3か月前
2

酷暑の雑感

子供の頃 本でサウジアラビアの暑さに触れた 激しい昼夜の寒暖差 昼は60度にもなる気温 過酷な陽射しに地面は灼かれ 沿岸部は砂嵐に苦しめられる そんな大地の 日向と日陰の明確に分かれた光景を思い 日本との違いにおののいて なんて大変なことだろう と 過ごしやすい四季に恵まれた島から 心のうちで労った サウジの生きとし生けるものの苦労が 減らされますように と あれから三十年ちょっと 日本もだいぶ 灼かれる夏を迎え 31度の台所で 洗い物をして考える 砂漠 ラクダ 砂嵐 熱気