大きな声では言えない話。
初めて聞いた時は、仰け反りそうになりました。
こんにちは。
仰け反る体勢を連想しただけで腰が痛くなる、お菓子を焼く人です。
しばらく前のことになります。
お菓子よりパンを焼くことに力を入れていた時のことです。
私、お菓子を焼く人は、Bitteという店のオーブン前が定位置。
このBitteという店は、パンを焼いていた時期がありまして、一口にパンと言っても、なかなかにクセのあるライ麦のパンをメインに焼いていた店です。
そして、この12月でパン焼きを終了する予定でいます。
いよいよ焼菓子専門へ移行!行こう!です。
そこで、ちょっと大きな声では言えない話。
何なら くちチャックで墓場まで持って行こうかと言ったところですが、最後の月くらいは〝グレードの高いライ麦粉〟を使おう❗️と、思ったことが発端で、今まで内緒にしていた話を書きます。
ところで、ライ麦粉にグレード?
そんなん、あんの?
そこに気が付いた人はエラい❗️
そうなんです。
あるんです。
厳然と、あるのです❗️
小麦粉も同様に、グレード(等級)があるんですよ。
数年前、ライ麦粉の取り扱いのある製粉メーカーさん数社から、
好みの、使いやすいであろう、食べやすいであろう銘柄を幾つかピックアップして焼き比べをした時のことでした。
とある有名(と言っても、みな有名な会社さんですが、中でも大手の)会社さんの営業さんが言いました。
「ドイツから日本に入ってくるライ麦粉なんて、皆、飼料用だからね。向こうでは人間が食べない等級だからね。」
えっ…👀❗️
今、なんて言いました?
…そして沈黙。
何と言うことでしょう?
品質良く、グレードの高いものは人間の食用とする。
グレードが下がるにつれ飼料用へと等級が下がり、
そして人間用でもグレードの低いもの、あるいは飼料用等級を輸出する。
これがドイツの国策と聞き、二度ビックリ❗️
それから人間用の(少なくとも飼料用ではない)ライ麦粉を探す…探す…。
これはもう責務になりました。
しかし、なかなか見つかりませんでしたよ。
必死のパッチでしたね。
数年経過後、ようやく、とあるメーカーさんのライ麦粉が、
〝少なくとも飼料用ではない〟という情報をget💪❗️
探し当てた!までは良いのですが、それからが難題山積。
当店がお世話になっている取引先さん数社にお願いしても…懇願しても、
遠い地域のメーカーさんです。
例え取引の前歴があったとしても、その商品だけを引っ張ってくることなど、今の流通のシステムでは出来ない話でした。
と言うより、当店がどれくらいのロットで動かせるか?どのスピードで消費するか?が、問題でした。
大手リテールベーカリーならいざ知らず。
(大手さんが、どんなライ麦粉を使っているか?は知りません)
それから再び月日が経ち、もう当店にパンのご要望も聞かれなくなった頃、
そのメーカーさんが通販サイトに出品していることを見つけ出しました。
時、遅しです…。
その時の、嬉しいような、切ないような、複雑な気持ちだけが記憶に残りました。
この12月は感謝月間。
水曜・土曜の曜日限定でパンを焼いています。
数量限定。
メニューも限定。
詳細は「自己紹介、店舗情報など」をご覧下さい。
今回のライ麦パンは、以前のような田舎臭さは無く、かなり良い感じに焼けています。
日本人が想像するライ麦パンは…〝色が黒くて〟と言うけど、
これはライ麦粉の等級が低いからかしら?
思いは複雑ですが、焼けたパンは宜しデス。
どうぞ。
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