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原点回帰 

とあるnoterさんのプロフィールに、目が留まりました。

大企業さんに於いては、製造工程の簡略化や長期保存を意図して、添加物使用は当然と思われる方も、きっと多くおられることかと思います。

ほんの少し、ドイツ菓子の世界を覗き見ただけの私です。

この私が感じたこと。 
古くから伝わるレシピを今も継がれ続くドイツ菓子に於いては、ほとんど、いゃ まったくのように添加物を使わない。
…だからか否か、詳細は不明ですが、食感、質感が重く密度の高い菓子が多いように感じます… 
そして、作業時に散らかったマッセ(ビスキュイ)の欠片も始末良く使うレシピもあるのです。
今で言うところのエコでありSDGsですね。
このような質実で倹約な国民性を反映したレシピが多いと感じました。

ドイツ菓子に特化するこの企業さんなら、この〝スラッシュゼロ〟は至って当然な姿勢だと思います。

スラッシュゼロとは…
商品包装の裏面表示(原材料表記)の際に、原材料の高配合順に素材を表記します。そして添加物を使用の際は、項目の末尾にスラッシュ(/)を表記し、以下に添加物名を記載するという食品表示の決まりごとから、スラッシュ以下はゼロ表記。つまり添加物は使用していないことを意味します。

調理師として3食とおやつを調理提供していた私が、その「おやつ」に疑問を感じたことがきっかけで、今は菓子の世界に身を置いています。

あの頃、抱いた疑問はと言えば…
「菓子は何故に添加物が多いのか?」でした。

かつて材料問屋との世間話で「添加物を使わないがモットー」と言ったら、
「何を言っているんだ?添加物が美味しいんだよ! 菓子の旨さは添加物のお陰なんだよ!」との返答に、驚愕したこともありました。

世間は、そうなのかも知れない。

素朴な疑問からスタートした菓子焼き業の 現在の私はと言うと…
膨張剤…一瞬は躊躇するものの、結局は使う。
香料入り副材料…最終的に美味しくなるんだから使っても致し方ないか…。

こんな風に、水が上から下へ流れ落ちるように、グズグズと自堕落になっていました。

恥ずかしい話、実はこのnoterさんの投稿を目にして、当初の精神を忘れていた自分に気づき、そして思い出したのでした。

あぁ、思い出せて良かった!

時を巻き戻すことは出来ないけれど、精神や思いはあの頃に戻せる!

私が作り出す菓子達もまた、スラッシュゼロで、
いゃ!スラッシュそのものさえ要らないものでありたいと、心を燃やしているのです。

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