まやかし。。『私があなたを選ぶ理由』
「なんで僕を選んでくれるんですか?」
美容師10年目。
言葉にはしないけど、時々聞いてみたくなる事。
僕が敬愛する放送作家の小山薫堂さんが以前にある雑誌のコラムで掲載していた記事にこの疑問へのしっくりときた答えがありました。
内容は
小山薫堂さんと楽焼の茶碗職人の樂吉左衛門さんの対談の話。
薫堂さん「どんな質問をしたら起こりますか?」
樂さん「何を聞かれても怒りませんよ、どうぞ好きなことを聞いてください。」
薫堂さん「樂の茶碗はどうしてそんなに高いのですか?」
会場がざわついたそう笑、、
樂さん「まやかしですよ。」
世の中の価値というものは自分が学んだ経験や社会的な条件が作り出しているもので、樂茶碗が高いのも、ブランド物を素晴らしいと感じるのも、これら全てがまやかしなんだそうです。
「まやかし」とは、
「まやかすこと。ごまかすこと。いんちき。にせもの。」
しかし、薫堂さんはこれを
『突き詰めると感情移入。』と表現しました。
「大好きなあの人が作ってくれてるから。」
「壮大な歴史ある作品だから。」
全ての価値は感情移入に他ならない。
愛妻弁当が美味しいというのも同じこと。
心理学の理屈でまとめるのは簡単だけど、
感情移入、つまりは心が動く時にこそ価値が生まれると思うと、
今の仕事や人生に精一杯向き合える。
だからこそ、まやかしだとしても、
僕に向き合ってくれる人や選んでくれる人には、
『なぜ』ではなく『ありがとう』を伝えたいと思う。