【LAMB】新しいおとぎ話ができました。【ネタバレ注意】
映画「LAMB」を鑑賞しました。
「ミッドサマー」「ライトハウス」「ヘレディタリー」「エックス」など、インパクトの強いホラー作品を多く手がけることで話題の『A24』の製作。
ただの牧歌的映画ではないことは、予告を観ればわかる。
絶対やばそうな雰囲気ムンムンのこちらの映画について解説します!
ネタバレを含みますので、ご注意ください。
考察が楽しい映画なので、真っ新な気持ちで観たい方は、下記の59秒特報予告のみに留めておくことをオススメします。
本予告すらややネタバレ風味なので笑
STORY
宗教的な思想が込められた作品なのか、それとも倫理的な問題を指摘する作品なのか…。
詳しく解説していきましょう!以下、ネタバレ注意です!!
45分間謎のまま
映画が始まって45分間、アダの正体はおろか、名前すら不明のまま進みます。
羊から、羊ではない何かが生まれたということだけはわかりますが、その正体や全体像はなかなか映りません。
とってもじらされます笑
これがまた、不気味さや、こちらのイマジネーションを掻き立てられる要因となっています。
神の子羊
「LAMB」には、宗教的なメッセージが込められているように思いました。
宗教に関する、ややセンシティブな内容となりますので、興味のある方はブログへどうぞ👇👇
ディンマリンのおはなし
映画の中で「ディンマリンのおはなし」という絵本をアダに読み聞かせるシーンがあります。
「ディンマリンのおはなし」は…
という内容です。
子どもを亡くした二人は、もしかするとアダがいつしか人間になったり、人間と同じように育ったりすることを願っていたのかもしれません。
新しい神話
バルディミール・ヨハンソン監督は、インタビューの中で、「新しい神話」を作りたかったと述べています。
確かに「LAMB」は大変メルヘンチックな要素があり、昔話や寓話、神話的な雰囲気を強く感じます。
とても納得です。
ラストシーンや随所は、腑に落ちない人もいらっしゃるでしょうが、「桃太郎」や「赤ずきん」に対して「ありえねー!!!」とか「納得いかねー!!」とツッコミを入れることはありませんよね笑
そんな風に観ればよいのかなと思います。
道徳的・寓話的解釈はその後各々でじっくりと。
エンディングの曲「サラバンド」
「LAMB」のエンディングにはヘンデルの「サラバンド」が使用されています。
この曲が使用された映画といえばスタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」です。
「バリー・リンドン」は野心家の青年、エドモンド・バリーが、いかにして称号を手にしたかを語った作品です。
実在の人物をモデルにしたという説もありますが、伝記風のフィクション映画です。
本当はナポレオンをモデルにした映画を作りたかったそうですが、予算や権利的なハードルを越えられなかったそうです。
完璧主義者のキューブリックですから、そのクオリティは凄まじく、見事に18世紀のヨーロッパを再現しています。
「本当にあった話なのか…?」「実際にいた人物なのか…?」
と錯覚するほどです。
「LAMB」も、先述したように、新たな神話を作ろうと試みた作品であるため、その成功例の一つである、バリー・リンドンを意識したのかもしれません。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「LAMB」は不思議で不気味な雰囲気ですが、神話を作ろうというチャレンジングな姿勢を感じとれる映画です。
ブログでは更に詳しく情報をお届けしています。ぜひ遊びにいらしてください!