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未来惑星ザルドス

映画「未来惑星ザルドス」をシネマート心斎橋で鑑賞しました。

ショーン・コネリーの激ヤバ衣装だけでも一見の価値ありな本作。

かのキューブリックもノンクレジットで協力した、先進的過ぎるSF

今回の記事では「未来惑星ザルドス」の見どころをしっかりとお伝えします!

作品概要

STORY
2293年、人類は不老不死の社会を実現。特権階級の永遠人(エターナルズ)たちは、外界から隔絶された透明ドーム(ボルテックス)の中で平和で優雅な毎日を過ごしていた。彼らは空飛ぶ巨大神像ザルドスを建立、それを崇める撲滅戦士(エクスターミネーターズ)たちを操り、荒廃した外界に棲む獣人(ブルータルズ)たちの搾取と殺戮を続けている。だがある日、撲滅戦士のリーダー、ゼッドは、着陸したザルドスの口内に身を隠し、ドーム内に潜入。ザルドス=神の忠実な下僕だったはずのゼッドの目的とは一体?

公式ページより引用

解説
『未来惑星ザルドス』は、前作『脱出』が大ヒットし、アカデミー作品賞、監督賞候補となった英国の巨匠ジョン・ブアマン、自ら製作・脚本も兼任、その驚異的なイマジネーションを余すことなく解き放った結果、人類の恐るべき未来を予見してしまったとてつもないSF巨篇。主演は、初代「007」のショーン・コネリー。弁髪、胸毛に赤ふんどしー半裸で大地を駆けるその雄姿によって、ボンド俳優のイメージを一新した。共演は『愛の嵐』のシャーロット・ランプリング。性を超越したクールな美貌は、まさにキャリア絶頂の美しさ。
映画化に際し、【生と死】【神と人間】【愛と性】【自然と文明】など、自作『2001年宇宙の旅』にも通じるテーマに興味を抱いたスタンリー・キューブリック監督は、ノンクレジットでテクニカル・アドバイザーとして協力。『2001年~』の名カメラマン、ジェフリー・アンスワースの抜擢など、さまざまな便宜を図ったという。憤怒の形相で地上に君臨する巨大神ザルドスの強烈造形、合わせ鏡の無限反射、サイケデリックな投射イメージ、『テネット』でも多用された逆転撮影など、ブアマンとアンスワースが映像表現の原初に立ち返ったトリック撮影も大きな見どころだ。だが、永遠の生よりも死を讃える先鋭的メッセージを突きつけるこの作品は、初公開時、一部の批評家と観客を除き、まったく理解されなかった。それから約半世紀、今も評価は揺れ続け、世界中で論議が絶えないSF映画史上屈指の問題作として孤高の地位を保っている。地球温暖化と異常気象、感染症の蔓延、終わりなき戦争、ヘイトと差別、社会を分断する格差、そして政治と宗教が癒着した全体主義―すでにディストピアと化した21世紀に生きる我々の眼に、23世紀のユートピアはどのように映るだろうか。

公式ページより引用

もう、上記の紹介だけで、とんでもない映画であることはご理解いただけたかと思います。

それでは、ここからは、実際に私が観た感想を踏まえて解説していきます!!

ショーン・コネリーの衣装

今作、007の名優、ショーン・コネリーが攻めに攻めた衣装を身に纏っています。

凄いでしょ?

フィフス・エレメントのミラ・ジョヴォヴィッチよりも高い露出度かもしれません。

一部の人には非常にたまらないでしょうね笑

後半はほぼ半裸ですしね。

しかし、この映画の凄いところは、ショーン・コネリーの衣装が霞むほど、他の登場人物の衣装がセクシーなのです。

エターナルズと呼ばれる人々の衣装は、中性的でありながら、とても甘美な魅力があります。

冒頭のメッセージ

「未来惑星ザルドス」は冒頭が非常にショッキングです。

この物語は、風刺と皮肉に満ちている、近い近未来の話と思ってもらいたい。ありうる話だ。ここで私は偽の神を演じている。登場人物を自在に操ってみせる。だがこの私も諸君を楽しませるための道具さ。

というセリフから始まります。

これをしっかりとインプットした上で観なければ、作品のカルト感に飲み込まれて迷子になってしまうでしょう。

物語をストレートに捉えるのではなく、風刺的な部分や、皮肉めいた箇所を、俯瞰しながら観るべきであるというメッセージな訳です。

わざわざ冒頭で伝えてくれるのが、非常に親切ですね笑

多くの作品への影響

「未来惑星ザルドス」は、たくさんの作品へ影響を与えています。

NOPE

「NOPE」は2022年に公開された、ジョーダン・ピール監督のSF・ホラー作品です。

「NOPE」でも、超巨大な謎の物体が、空に現れます。

それだけでなく、映画制作者や、観客の「目」というのが、メッセージとしてある作品です。

これは、「未来惑星ザルドス」の冒頭のメッセージと同じです。

俳優や映画監督は見せる側なようで、結局は鑑賞者に消費されるだけの存在であるという。

だがこの私も諸君を楽しませるための道具さ。』

エヴァンゲリオン

エヴァンゲリオンとも非常に近いものを感じました。

歳をとらない登場人物の設定や、神殺しというタブーに挑戦しつつ、ディストピアを描く様は、よく似ていますね!

巨大な顔面「ザルドス」も使徒のような雰囲気があります。


ブレードランナー

ディストピアを描いている点や、使役するものの反乱的な部分は、「ブレードランナー」ともよく似ています。

レプリカントの反乱と、撲滅戦士たちの暴動が同じ雰囲気です。

また、レプリカントとの関わりを通じて、デッカードが本当に大切なものに気づく点も、「未来惑星ザルドス」に大きく影響されているのでしょう。

ミッドサマー

「ミッドサマー」も大きく影響されているはずです。

服装や、村の雰囲気は、ボルテックスとかなり近いです。

テーマとして、性が大きく関わる点や、不思議な信仰を持っている点も、よく似ていますね。

「ミッドサマー」はホラーにジャンル分けされる作品ですが、「未来惑星ザルドス」に登場する、共同融合と呼ばれる儀式もまた、私にとってホラーでした。

2001年宇宙の旅との類似点は?

「未来惑星ザルドス」の制作にあたって、スタンリー・キューブリックがノンクレジットで協力した理由の一つとして、「2001年宇宙の旅」と、共通したメッセージをもつ作品だという点があります。

「2001年宇宙の旅」は、一見分かりにくストーリーですが、簡潔に述べると、人類が超テクノロジーを持つ存在とコンタクトすることで、より高次の次元へと進むストーリーです。

ここから先の詳しい情報はブログで解説します👇👇

https://www.three-minutes-philosophy.com/zardoz/


今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

「未来惑星ザルドス」の見どころと、他の作品へ与えた影響、キューブリックが協力した理由をお伝えしました!

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