【紅い服の少女】予習記事!
台湾のホラー映画「紅い服の少女 第一章神隠し/第二章真実」をシネマート心斎橋で鑑賞しました。
台湾で語り継がれる妖怪「魔神仔」や、
実際に起こった失踪事件やそれに関わる怪現象。
それらをベースにした作品です。
「哭悲」や「呪詛」など、ホラー作品に勢いのある台湾。
今回の記事では、台湾発のホラー「紅い服の少女 第一章神隠し」と「紅い服の少女 第二章真実」をより楽しむための予備的な知識や、押さえるべきポイントをお伝えします!
STORY
実際のニュース映像もYouTubeで観ることができますが、日本のホラー番組風のものなのかどうか、定かではありません。
なんともオカルト心をくすぐりますね…!
魔神仔(モーシンナア)とは
魔神仔(モーシンナア)とは、台湾各地に伝わる山や森に住む妖怪・未確認生物のことです。
外見は、子どものようであることは共通して言われますが、
全身が毛におおわれているというパターンや、
顔は老人のようである、
青っぽい肌をしているなど、
ディテールは様々です。
映画に出てきた魔神仔は、紅い服に、子どものような背丈、顔は白っぽい見た目でした。
都市伝説的な扱われ方をする場合は、紅い服のイメージが強いようです。その発端となったのは、2014年6月と7月に花蓮市と台東県で実際に起こった失踪事件のようです。
それまでは、どちらかというと、妖怪・精霊チックなイメージの方が強く持たれていたようです。
日本でいうと、沖縄の妖怪キジムナーのような感じでしょうか。
キジムナーとの類似点
森林に潜むという点や、台湾と沖縄の距離感といい、なんだか共通した存在である妄想が膨らみます。
映画の中では「森林を伐採されたから怒って町までやってきたんだ」と言われていました。
爆竹は邪気払い?
台湾では、旧正月や春節やお祭りの際に、爆竹を鳴らす風習があります。
「商売繁盛」のために鳴らすことが多いのですが、実は別の意味もあるのです。
その昔台湾では「年獣」という怪物が、旧正月の深夜に現れるという言い伝えがありました。
「年獣」を驚かせ、追い払うために、爆竹を鳴らしていたそうです。
爆竹には邪気払いの効果があるという側面もあるのですね。
映画の中でも、爆竹や発煙筒など、派手な光や音を出すアイテムは大変活躍します。
メンガタスズメとは
映画の中で何度も登場する「メンガタスズメ」という蛾。
背中に人面のような模様を持ち、なんとも不気味な印象。
日本にも広く分布するそうです。
農作物を食べつくしてしまうことがあり、害虫として知られています。
さらに、ヨーロッパでは、Death's-head Hawkmoth の呼び名があり、文字通り不吉や不幸、死の象徴だとされています。
映画「羊たちの沈黙」ではシリアルキラーが家で育て、犯行の証拠に残していたことや、ポスターやDVDのジャケットとしても印象的です。
台湾では、2022年に、嘉義市の葬儀場に3日連続で出現したことが不吉であるとニュースになるほどでした。
何とも嫌われ者な虫さんです…。
虎爺(フーイエ)とは
第二章で大活躍する「虎爺(フーイエ)」
凶暴で強そうなイメージの虎ですが、台湾では平和や守護の神様として信仰されています。
諸説ありますが、道教がルーツであるという説が多いです。
地位の高い神様を乗せたり、守ったりしていたとされており、どちらかというと身近なイメージの神様のようですね。
しかしながら、虎の持つ獰猛なイメージもやはりあります。
畏怖や道教の教えがミックスされ、現在多くの人に愛されるかたちになったそうです。
中絶に対するメッセージ
第二章では、まだ中高生の娘が妊娠し、中絶することが決まってから、物語が発展していきます。
しかし、この設定があったからこそ、この映画は立体感や奥行きをもったのではないかと思います。
「リング」や「仄暗い水の底から」「シックスセンス」といったような、ただ恐いだけではない、軸のある作品になっていました。
その理由をブログで解説しています👇👇
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「紅い服の少女」の解説をしました!台湾の伝統や、社会問題を押さえた上で観ると、なかなか味わい深い作品です。
ブログでは更に詳しく情報をお届けしています。ホラー映画の情報もたくさんです!!