貞子DXに込められた、映像文化とwithコロナ社会へのメッセージ
「貞子DX」を鑑賞しました。
1998年に公開され、日本中を恐怖の渦に巻き込んだホラー映画「リング」から生まれた、日本を代表する心霊、貞子。
「貞子DX」は、貞子を扱ったシリーズの最新作です。
「リング」は好きだけど、鑑賞を迷っている人、多いかと存じます。
結論、迷っているなら観にいってよし、な作品です。
ただ、純粋なホラーとしてではなく、オカルトや最近のホラーの傾向を踏まえた上で、俯瞰して観られる方に限る、といったところでしょうか。
今回の記事では、「貞子DX」の見どころや魅力をお届けいたします!ストーリーのネタバレを含みますのでご注意ください。
作品概要
科学VSオカルトを描いている点が特徴です。
もともとリングシリーズも、原因解明が主だったテーマではあるのですが。
IQタレント女子大学院生が貞子の呪いを科学的に解明しようと試みるというポップさが、非常に観やすい作品であります。
ここから先は、ストーリーに関するネタバレを含みますのでご注意ください。
呪いと共に生きていく
「貞子DX」は貞子の呪いを、ウイルスと読んでいます。
呪いは、ビデオを観てから24時間で死に至るウイルスであるという設定です。
もともと、リングシリーズの呪いは、ビデオを観てから1週間後に死ぬというルールがありました。
この過去の呪いも、「貞子DX」のストーリーの中で継承されており、以前は1週間だったのに、なぜ24時間と短くなってしまったのだろうか。
潜伏期間が長いほど、ウイルスは拡散するのに…。
最終的に、ウイルスは、時代に合わせて変化しているという結論に行き着きます。
今回のウイルスは、一度観てしまったら、24時間以内に再び映像を観ないと死に至る特性であるということが分かります。
ウイルスは潜伏期間を長くするのではなく、頻繁に見せる機会を作ることで感染を広げるというデザインに変わったという訳です。
頻繁に観る必要があるということは、手軽さが求められる。
つまりはビデオという媒体から、動画サイトやSNSでいつでもだれでも観られるように変化していきます。
これは、近年の映像媒体の傾向を表しているのです。
絶滅危惧種のビデオという媒体が、ネット環境ありきの媒体にとって変わり、生存するためにはそこに合わせていくしかないだろうと。
最終的には、誰もが一日一回呪いのビデオの映像を観るような生活になった世の中を描いています。
これって、withコロナ時代へのメタファーでもありますよね。
呪いのスピード感
先述の通り、SNSや動画サイトに貞子の呪いがシフトチェンジした様を描いています。
SNS時代を生きる我々にこそ共感できる作品な訳です。
ビデオが無くなることを想像できなかったあの時代ではありえない共感です。
TikTokにYouTube、流行り廃りのスピード感が半端じゃない。
少し前は称えられても、わずか1週間で古くなり、笑いのネタになる。
一日一回呪いのビデオを、誰もが笑いながら観るようになる。
この麻痺感とスピード感、結構恐ろしいです。
コメディでもありSFでもある
「貞子DX」は、ぶっちゃけ怖くはありません。
むしろ、笑いのシーンが多めで、肩の力を抜いて観られる映画です。
近年のホラー映画の流行りですね。コメディとホラーの中道的な作品。
また、科学的に解決しようとしたり、コーダーが真相解明に一役買ったりと、SFチックなところもあります。
立ち込めるもやし臭
こちらはブログで👇👇
最も印象に残った部分です笑
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「貞子DX」の見どころを紹介しました。貞子の生存戦略を感じることができ、世相を表すようなメッセージもこもっている作品です。
ブログではホラー作品に関する記事を数多く公開しています。ぜひ遊びにいらしてください!
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