【皮膚筋炎とは】【緊急入院後の心の動き】自己免疫疾患(指定難病)とともに生きる (2) - JANGAN MALU-MALU! Living with an Autoimmune Disease
【皮膚筋炎とは】
今回、皮膚筋炎(Dermatomyositis: DM)と診断され、私自身、初めてこの病気について知ることになった。類似した疾患である多発性筋炎と合わせた、皮膚筋炎・多発性筋炎の日本全国の患者数(特定医療費(指定難病)受給者証所持者)は、2023年3月時点で約26,000人だそうだ。
皮膚筋炎は、自分自身の免疫が肺や皮膚などに過剰に反応してしまう自己免疫疾患であるが、私の症状の主なものは、皮膚症状と間質性肺炎の二つ。同じ病気でも、人によって症状は様々で、筋力が低下する筋症状が出る場合もあるが、幸い私は筋症状は全くなく、無筋症性皮膚筋炎(Clinically Amyopathic Dermatomyositis: CADM)のようである。
皮膚症状としては、2024年3月末ごろから右の頬が赤く腫れ始め、その後の特徴的なものとして、4月末ごろから、手の指や肘・膝の関節の外側にがさがさして盛り上がった紅色皮疹(ゴットロン丘疹・ゴットロン徴候)や、まぶたにむくみを伴った紅い皮疹(ヘリオトロープ疹)が現れた。
間質性肺炎は、細菌やウイルスによる肺炎とは異なり、免疫が自身の肺を攻撃することにより起こる。5月初旬から、のどの痛みや痰などがないにもかかわらず頑固にせきが出たり、体を動かすときに息切れしやすくなったりし始め、5月下旬にかけて急激に悪化していった。無筋症性皮膚筋炎では、間質性肺炎が急に進行するのが特徴的のようである。
【緊急入院後の心の動き】
前回、「診断が確定したときの私の心中はかなり穏やかだった。(中略)やっと原因が特定され適切な治療が始まった安心感で、心に光が差し、不安は消えていた。」と書いた。その後、落ち着いてくると、今後の人生に向けて不安に感じる気持ちや、前向きに感じる気持ちがわいてくる。
緊急入院から最初の数日に心にわいてきた気持ちを、率直に書き出しておこうと思う。
今後の人生に向けて不安に感じる気持ち:
今後どこまで治療の効果が出てくるか。
いつまでどんな治療が必要か。
症状が急激に進行することがあるか。
治療によって、重篤な副作用が出ないか。
今後、これまでと同じような生活ができるか。
長期旅行や海外生活などに支障が出る可能性があるか。旅は、自分の人生の一部であり、制限がある人生はかなり辛い。
クラリネットをまた吹けるようになるか。中学時代から始めたクラリネットを、今も趣味で続けていて、2024年6月23日に予定している吹奏楽の演奏会への出演を、今回の入院で直前に泣く泣く諦めたことが、非常に心残りとなっている。
前向きに感じる気持ち:
このタイミングで発症したことは、私の人生に与えられた大きなチャンス。このチャンスを与えられたことは、本当に幸せなこと。人生100年のちょうど半分を折り返した後半に向けて、自分の人生を見直す良い機会にしよう。
自分が本当にやりたいこと、自分の身体や心が求めていることに素直に取り組む人生を進もう。
これまでの人生で築きあげ、大切にしてきた人とのつながりが本当に心強くありがたい。入院が決まってから、世界中から多くの皆さんが、たくさんの温かいことばや心遣いを寄せてくださった。特に、これまで仕事で関わってきた国際交流プログラムを通して知り合い、その後プライベートでも仲良くしてくださっている医療従事者の皆さんが、気軽に相談にのってくれアドバイスをくださるのが、自分の心の平穏につながる。
心を寄せてくださる多くの人に囲まれて生きている私の人生は、本当に幸せ。人とのつながりを大切に生きてきたこれまでの人生を、今後も大切にしていこう。
自分らしさを作る要素の一つに、指定難病当事者・膠原病当事者が加わった。このことを活かした、自分らしい人生を目指そう。
(つづく)
(カバー画像:病室の窓から広がる大学キャンパスの豊かな緑)
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