「深淵」
風が盗む、花びらを、
雨が撃つ、土の上、
人は歩く、傘もささずに、
風のなか、花びらは、
たったひとつの無駄口もなく、
風になる、人なのに、
雨が鳴る、舗装の上を、
犬がそこらを歩いているから、
嘘くさい永遠を、
それくらいなら嘘もいいよな、
奈落だったらそこらじゅうに転がってると、
俺はずっと知っている、
死体が順に落ちてくるから傘くらい必要だった、
昨日も明日も元気な遺体だらけでさ、
うんざりしながら天を仰いでため息吐くんだ、
神は今日も欠伸混じりに眺めているだろう、
photograph and words by billy.
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