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「遠雷」

悪ふざけが許された、
若葉の季節は昨日に過ぎて、

いつか笑って話すだろうか、
或いは記憶に閉ざすだろうか、

子供のまま生きることは叶わない、
どれほど強く望んだところで生きる以上は背負うものを増やしゆく、

それをどうにか振りほどこうと、
置いてゆこうとするもまた、

張り付く影の陰影が、
私に不可を知らせているよう、

やはりは叶わぬことを知る、
其れを知るのも人で或るが故のこと、

盛夏は赤く澄み渡り、夕陽を首に浴びせ続ける、
季節を物見に集まった、赤銅色の腕白共が、
来季を願うか祈るか知らぬ、
然しはほどけた藁を編んだ草の舟、

波間に揺れて惑いながらも浅瀬からは抜けてゆこうと、
やがては沈むと知っていてなおその光景、
直視に眩しく過ぎるにしても、
見ずにはいられなかった君は、

遥か彼方に青い季節を追いやった、
振り返ろうにも既に足跡なんぞは消えている、

喪うことは慣れようにも慣れられぬ、
血はいまだに流れているのだ、
汚れてしまったとしても、

砂をさらう乾きが始まる新たな風は、
悪ふざけを笑っていられた夜に生きた季節のことをよぎらせる、




photograph and words by billy.

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