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大谷翔平から学んだこと
先月行われたWBC。日本は見事優勝し世界一になった。
正直開催前は、あまり興味がなかった。
そもそも野球の試合をちゃんと見ない。
DHの仕組みもトラウトの存在も全く知らなかったただの「にわか」だが、日本が勝ったニュースを見るたびに世の中は盛り上がってきたので、その波に乗っからせていただきました。
ヌートバーのペッパーミルも良かったが、僕が特に印象に残ったのは、準決勝メキシコ戦の大谷選手。
4-5で負けている状況での9回裏、先頭で彼は2塁打を放った。ヘルメットを投げ捨てながら必死に走り、ベースに辿り着くとベンチに向かって何度も両手を振り上げ大煽り。あれに興奮した人は多いんじゃないでしょうか。
そのとき僕は、大谷選手の「ヘルメット」が気になった。
あれは突発的にそうしたのではなく、わざと投げ捨てる「パフォーマンス」だったのではないかと思った。
事前に、もしヒットを打ったらそうしようと決めていたかのように。
ヘルメットは被りながらでも走れるはずだし、結構余裕もあった。
ではなぜそうしたのか。
この回で何としても点を取らなくてはいけない中、逆転を目指すチームの士気を上げるために、そう「振る舞った」んじゃないかと。
あれにより最後、村神様のサヨナラヒットが生まれたのでは無かろうかと思っている。
少し話はずれるが、僕は以前こんなツイートをした。
今日の練習に、34歳のコートジボワール人の方が参加してくれました。練習の合間に僕が膝に手をついてたら、彼がジェスチャーと母国語で(あくまで僕の解釈ですが)「手をつくな!相手に疲れてることを知らせることになるぞ!」と伝えてくれ、暑い夏を前に大切なことを教えていただき感謝しています。
— 宇都木峻 (@toureyaya424242) June 24, 2022
言葉がわからなかったので真相は定かではないが、そんなようなことを僕に伝えていた気がした。
その後彼のことを見ていたが、確かにきつそうな様子は一切見せなかった。いや、きつかったのかもしれないが意識的に、きつくないように振る舞っていたのだと思う。
僕には「見られている」という意識が欠如していた。
サッカーは残酷なスポーツ。
イエローカードをもらっている相手がいたらそこから攻めるといったように、足が「痛そう」だったり「疲れてそう」な敵がいればそこを突破口と設定するのは当たり前だ。
「〜そう」を少しでも相手に見せてしまうと、それは命取りになりかねない。
常に、見られているという自覚を持ち、「見せる」ことがとても重要になってくる。
グアルディオラへのインタビュー動画をTwitterで見たことがある。
あの大きな身振り手振りで、選手たちになにを伝えているのか?という質問に対して、
「特になにも。あんな大歓声の中で何かを伝えるのは難しい。だが、『緊張感』を伝えることはできると思っている」と答えていた。彼も、わざと大袈裟に振る舞っていると言える。
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あの状況でツーベースヒットを打つ大谷選手の勝負強さと実力はもちろん、チームにおける自分の立場と、仲間や観客、世界中の人からどんなふうに見られているかを理解していた。その上で、ああ振る舞った彼は超一流としか言えません。
勝負の世界において、どう振る舞うかは流れを左右するし、そしてそのまま結果に影響する。
振る舞い一つで、別の未来にすることができるということを学んだのでした。
読んでいただきありがとうございました!