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SNSを活用した普及啓発への疑念

SNSの広がり

最近TwitterやInstagram、TikTokといったソーシャルネットワークサービス(SNS)が若者を中心に爆発的に広がり、利用されている。

実際に私もこれらのSNSを活用し、自分の考えや出来事の発信、他者と交流、他者の投稿を楽しく閲覧するなど、生活の一部分となっている。

SNSの普及は多くの人々に楽しさを提供するとともに、簡単に情報を得られるようになり、大変便利なサービスとなっている。

新しい活用方法

このように若者を中心とした多くの人々の生活の中にSNSというツールが組み込まれた。

そんな中、この社会変容に適応し、普及啓発につなげようとする人々が現れている。

私の専門分野でいえば、自然環境問題についての普及啓発活動。
大々的に実施されている中に「WoWキツネザル」というアカウント名の方がいらっしゃる。初心者でも分かりやすく、話を聞いてみたくなるよう、とても工夫されている。もちろん中身も的確だ。TwitterやTikTok等を活用し、多くの人々に動画が閲覧されている。
彼のプロフィールに書かれている”環境問題をワクワクしながら学べる動画を発信中”という言葉通り、ライト層、いわゆる環境問題に対して関心の高くない層に対して効果的な普及啓発となっていると思う。

暇つぶしに開いたSNSで面白く、かつ、ためになる動画が見れるというのはとてもラッキーなことだ。
他の分野においても、例えば貧困やフードロス、人種差別といった社会的な問題に対してSNSを活用して情報を発信し、普及啓発を行っている方々がいらっしゃる。
環境問題の解決のためのディスカッションでも、SNSを活用する、という案は大体出てくる。
それぐらい多方面でSNSには大きな可能性があると思う。

ライト層が気軽に情報を得て、その問題に対して関心を持つきっかけとなっているかもしれない。
彼らの活動をこれからもとても応援している。

よくない側面もあるのでは?

今述べていたように、若者を中心に広く普及したSNSを活用した啓発活動は効果があると思う。

ただ一方で大きな欠陥を持ち合わせていることを見落としてはいけない。

それは情報の鵜呑みである。

義務教育期間中には、ネットリテラシーについて口酸っぱく教えられた。ただ、その情報の怖さというものを感じたのは大学生になってから。ネットリテラシーの授業なんて忘れている人も少なくないだろう。

SNSにおける普及啓発活動の欠陥は、啓発対象が情報を鵜呑みにし、自分から新たな情報、正しい情報を探さないことにある。

SNSは、関心のきっかけとしては大いに活用すべきだ。
しかし、知識を得る、与える場にしてはならない。私はそう考えている。
知識を得ることが簡単になれば、当然自分で調べるという行動を起こすことは少なくなる。なぜなら、楽だからである。
それを繰り返していけば、徐々に人々は自分で調べるという習慣がなくなるだろう。
自分で調べ、得たい情報を正確に得るということは一つの技術であり、誰にでもできることではない。その技術を持たずして社会に出て、うまくいくだろうか。

また、鵜呑みの怖いのは、その情報が正しいか正しくないか精査していない点である。自分で調べるということをしないため、目の前の情報が全てとなる。
専門家っぽい人が言っているから正しいだろう、詳しそうな人が言っているから正しいだろう。それは希望的観測でしかない。
もしその人が間違ってたら?もしその人がわざと偽の情報を流し、誘導しようとしていたら?そんな状況になった時に、戦う術がなくなってしまう。
これではいけない、絶対に。

SNS、ネット上で気軽に関心を持ってもらえるよう、啓発活動を実施することはとても素晴らしいことである。
ただしかし、自分で調べず、情報を鵜呑みにする人間を作り、育ててしまっていることから目を背けてはいけない。
何のために啓発活動を行なっている?ダメ人間を作るためではないはずだ。

きっかけを与え、その先に進ませる、それが真の普及啓発活動だと私は考えている。

今後の普及啓発のあり方

今後のSNSを活用した普及啓発はどうあるべきか。それはまだ私にはわからない。
SNSは活用方法を工夫すれば、まだまだ可能性は広がると私は感じている。

今、SNSを活用して普及啓発を行なっている皆さん、どうか一緒により効果的な普及啓発手法を考えていってくれないだろうか。
皆さんの活動をより素晴らしいものへと昇華させるきっかけに私はなりたい。

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