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ベンチプレス100kgのその先へ!②「できない」を把握する大切さ
4年前にベンチプレス100kgを挙げ、そこから重量が停滞…
しかし、年明けから取り入れた新しいプログラムでその停滞を打破できそうなので、自分の記録も兼ねて、シリーズ化していこうと思います(笑)
現在組んでいるベンチプレスの10週間プログラムは以下よりご覧ください。
今回はシリーズ第2回。
前半は僕が普段のトレーニングメニューを作る際に使っている「RM換算」と、僕のオリジナル(?)な使い方を紹介します。
後半は今週のトレーニング記録と、所感を述べていきます。
RM換算
知っている方は飛ばしてください(笑)
RM(repetition max)は、直訳すると「最大反復」です。「◯回挙げられる重量」という意味で使われます。
例えば1RMは1回挙げられる重量。10RMは10回挙げられる重量です。
僕で言うとベンチプレスの1RMは100kgちょうど。10RMは80kgとなります。
1回が限界の重量を調べるのにMAX測定を頻繁に行うと、神経の疲労や怪我のリスクが大幅に高まります。以前僕も怪我の経験あるので、これは本当にやめた方がいいです。
怪我のリスクなく、おおそよのMAX重量が計算できるのがRM換算の便利なとこです。
また、計算で得られた1RMの重量から、8回や10回が限界の重量も計算できます。
こちらも「色んな重量で8回やってみて限界の重量を…」という調べ方をしてたら疲れちゃいますよね。それに、疲れた状態で測っても正確な数値は得られません。
怪我のリスクを下げながら、適切な使用重量を調べられるのがRM換算の大きなメリットです。
僕は日々頭の中でも電卓でもこの計算ばっかりしてます(笑)
調子の良し悪しはあるものの、この計算で重量設定を見誤った事はほぼないですね。
計算方法
換算表は検索すれば出てきますが、計算式を自分で理解していればわざわざ調べずに計算できますし、様々な場合に応じて柔軟に使えます。
ベンチプレスとスクワット・デッドリフトで計算式は異なります。
ベンチプレスの場合
1RM重量=使用重量×(40+挙上回数)÷40
スクワットの場合
1RM重量=使用重量×(33.3+挙上回数)÷33.3
ある日のトレーニングをもとに、使用重量と回数を代入して計算すれば1RMが計算できます。
逆に計算式に1RMと回数を代入すると、使用重量を計算する事ができます。
例えば「10回限界の重量(=10RM)でトレーニングしたい」場合、1RMからおおよそ扱うべき重量が分かるわけです。
【別解】%でやればいいやん!
僕は上の式を変形して%で計算しています。
慣れればこっちの方が圧倒的に楽です。
ベンチプレス
挙上回数1回ごとに使用重量+2.5%
スクワット・デッドリフト
挙上回数1回ごとに使用重量+3%
さっきのややこしい式も結局これなんです。
例えばベンチプレス10回できたらその重量+25%、スクワット10回できたらその重量+30%です。
どちらの計算式でもほぼ同じ値になります。
以下の⑴⑵を実際に計算してみて、計算方法を覚えましょう。
(1)ベンチプレスを80kgで10回行った場合の1RMを計算する。
【解①】
80kg×(40+10回)÷40
=100kg
【解②】
2.5%×10=25%より
80kg×1.25
=100kg
これで、1回なら100kg挙げられるという事になります。
では、そこから5回が限界の重量(5RM)を計算してみましょう。
(2)ベンチプレス1RMが100kgの場合、5RMを計算する。
【解①】
100kg×40/(40+5回)
=88.88...≒88.9kg
【解②】
2.5%×5=12.5%より
100÷1.125
=88.88...≒88.9kg
これで、87.5〜90kg程度の重量を5回挙げられる事が分かります。
いちいち重量を変えて手探りする事なく、自分の適正重量を知る事ができます。
日本におけるボディコンテストの主要団体、FWJのサイトにもRM換算表が掲載されています。(小数点以下切り捨て)
↓以下リンクよりご覧ください。
【僕の使い方】小さな成長を確かめる!
僕は毎回のトレーニングで、1RMの重量を計算します。
例えば、ある日に90kg×4回ができれば、1RMは99kgです。その翌週に95kg×2回ができれば、1RMは99.75kg、といった感じです。
数値の変化はとても小さいですが、こうした細やかな伸びを確認する事で一歩ずつ確実に重量を伸ばす事ができると思います。
僕は昨年春に怪我をして半年ほどベンチプレスを控えていました。しかしRMを管理することで、怪我前90kgしか挙がらなかったところから2ヶ月で元の100kgまで戻す事ができました。
今も日々の小さな成長を実感できて、楽しくトレーニングできています。
今週の記録
今回は1/26(日)のトレーニング記録です。
10週間プログラムの4週目ということで
メインセットは87.5kg×6回×3セットでした。
RM換算で1RMは100.625kg程度の負荷です。
1セット目時点では、あと1.2回は挙げられそうな感触。
一応8回できると仮定すれば、RM換算は105kgになります。
100kgのその先、1歩目の102.5kgが見えてきましたかね。
そして、3セット目は限界まで行こうと思い、7回目を挙げようとするも潰れました。
つまり、3セット目の段階で1RMは100.625kg。7回として換算したら102.8125kgとなりますが、そこには達していなかったと言う事が分かります。
「できない」を把握する大切さ
タイトルにも書いた、今回伝えたいメインテーマです。
潰れて分かった「できない」という収穫
各セット追い込まないようにしていたので、ベンチで潰れたのは久しぶりでした。
ここで分かったのは、「3セット目まで100.625kg挙げられる」という事よりも「3セット目は102.8125kg挙げられない」という″現在地″です。
ここにネガティブな意味は全くなく、むしろ目標や通過点までの差が分かったという大きな収穫ととらえています。
目の前に壁があるという「程よい緊張感」
僕の6週目のメニューは92.5kg×5回×3セットという内容なのですが、92.5kg×5回の場合、1RMは104.0625kgです。
4週目時点の今でいえば、「1セットならなんとかなりそう…」という感じですが、3セットはおそらく完遂できなさそうです。だって今週は3セット目時点で102.8125kgをクリアできなかった事実があるわけですから。
「あと2週間でそこまで伸ばさなければ」という緊張感が生まれるので、日頃のケアや食事面など気を使うようになっています。
壁が見えているだけに、気を緩められない仕組みづくりができた気がします。
つまり、「今できない事を把握する」という事には
・目標と現在地の差が分かる
・日々の活動に程よい緊張感を与える
という2つの効果があると思います。
ソクラテスの「無知の知」という有名な考え方には、「真実に向かう出発点は己の無知を自覚する」という意味があります。
それと同じかどうかはわかりませんが、筋トレでも自分のできない事を把握する事が大事なのかもしれません。
目標に向けて、またその通過点に向けて、今の「できない」と向き合っていきたいと思います。
ではまた。