GIVE & TAKE 3
こんにちは、のぐです。今日の書籍はアダムグラントさんの「GIVE & TAKE」です。訳者の方は、楠木建さんです。今回もいつものようにA4にまとめてみました。本記事では[第二章]の内容をご紹介したいと思います。
前節
筆者の方は次のように仰います。
世の中には、3種類の人間がいる。
- GIVER...人に惜しみなく与える者
- TAKER...自分の利益を最優先させる者
- MACTHER...損得バランスを考慮する者
そして、成功段階も3ステップに分かれる
1番の成功者: GIVER
中堅の成功者: TAKER or MACTHER
うまくいかない者: GIVER
驚くべき事実として、「一番成功している者」と「一番うまくいかない者」は双方ともにGIVERであったのです。果たして「最高の勝利者」と「ただのお人好し」の道を分かつ要素は一体どういったものなのでしょうか?
結論のみ知りたい方はこちらをどうぞ
section2 SNS活用法
前回の記事では、GIVERについてご紹介しました。今回は、その対極のTAKERについてご紹介したいと思います。GIVERとTAKERの具体的な違いをSNSを通じてみていきましょう。
SNSを通じてのTAKERの見極め方
復習ですが、TAKERは常に自分中心の行動です。なので見極め方は次のようになります。
- 評判情報を利用する
- TAKERのレック(求愛行動)を見つける
評判情報は、その人のコメントなどでわかります。しかし、二番目のレックがなかなかわかりづらいかと思います。次の二人の経営者の顔写真をご覧ください。
こちらはどちらもその企業の年次報告書です。左は、経営者自身の顔写真は小さく、ページの10%を占めていないことに対し、右は、ページ全てを使っています。果たして、どちらがTAKERでしょうか。答えは右です。年次報告書であるはずが、自己賛美の象徴となっており、「私がこの会社の中心人物である」とメッセージを発しているかのようです。
スマホが普及し、誰でもSNSが利用できるようになった現代において、このようなTAKERによる「レック」が発見しやすくなったと筆者の方は考えております。そして、実際に「多くの人々はTAKERの『レック』に敏感に反応し、それを見極める」という研究結果も報告されているそうです。
このような時代はTAKERにとって「生きづらい」ものになっています。
GIVERが大きな成功をもたらすカギ『reconect』
「reconect」とは「再び繋がること」を意味します。SNSで瞬時に連絡が取れるようになった時代において、「あの人と再び会いたい」と思えば簡単に連絡ができます。つまり、「再び会いたい」と思わせることが成功へのカギなのでしょうか。
ただし、それには1つ落とし穴があります。
休眠状態のつながりを復活させなければならない
それは、自分に新しい情報をもたらしてくれるからだ
ということです。ここで「休眠状態のつながり」とは、「以前はしょっちゅう連絡を取り合っていたが、今は全く連絡をとっていない人」とのつながりを表しています。では一体、この「落とし穴」の意味はどういうことでしょうか。
ある研究結果にて、「最近知り合った関係は古い情報しかもたらさない」「逆に休眠状態のつながりは新しい情報をもたらす」ということがわかっています。前者の結果は、ご想像の通りであると思います。「最近知り合った人」であるなら、最近の自分の価値観と重なっている人であるでしょう。
その逆を考えると後者の結果は自然かもしれません。「今は全く連絡を取り合っていない人」は、現在の自分とは異なる価値観を持っているかもしれません。そのような新鮮な情報を得られるか否かは当然ですが全て「reconectできるか」に関わってくるということです。
あなたが「reconectしたい」と思える人はTAKERでしょうか、GIVERでしょうか?
パイの考え方
最後にGIVERとTAKERは「パイの考え方」でも意見が別れるというお話をご紹介して本記事を終えたいと思います。結論から申せば、次のようになります。
GIVER: パイ全体を拡大しようとする
TAKER: より多くの分け前を奪おうとする
すなわち、GIVERは「パイ全体は拡大できる」という前提で考え、「与える」という行動を起こし、TAKERは「パイ全体の大きさは一定」という前提で考え、「奪う」という行動を起こします。
また、GIVERの特徴的な考え方として「恩送り」があります。損得のバランスを考えようとするMATCHERは、恩をいただいたその人に恩を返す、「恩返し」をしようとしますが、GIVERの根底には「パイ全体は拡大できる」があるので、GIVERは、恩をいただいたその人でなくとも、その恩を別の人に送る「恩送り」といった行動をします。
例えば、日本の先輩後輩の関係にも存在するかもしれません。先輩からご馳走していただいた際に、後輩が感謝の気持ちを伝えると、その先輩が「いいのいいの、私も先輩からご馳走してもらったから」といった光景は、まさに「恩送り」の例かもしれません。
最後に、本記事をご覧になった皆様の今後のご多幸をお祈り申し上げます。
それではまたの出会いを楽しみにしております。