(Z33) 【BtoB企業のブランディング(前編)②】欧米企業は「ブランド力を高め、価格決定力の強化を図る動き」が多い。 BtoBの取り引きは、経済合理性と、心理的な絆が作用している-2 by RISKYBRAND より抜粋加筆しました。
⑷ 日本のBtoBのビジネスは、以下の認識される時代が長く続いた。
「”品質と価格”という経済合理性でしか動かない」
⑸ 果たして、BtoBのビジネスは、経済合理性だけで動いているのか?
①BtoBの現場では、以下の「人間関係を軸とした活動」は、古くから日本では数多くもたれてきた。
・顧客への定期的な営業訪問などを通じたコミュニケーション
・接待
②ところが、以下により人間関係を軸とした活動は機能しにくおくなっている。
・ITによるコミュニケーション形態の変化
・社会常識や商習慣の変化
・グローバル化
・BtoBにおけるEコマース比率の上昇
⑹ 米国CEB社によると、顧客がサプライヤーの「本当の品質」を、
理解し、その分のお金を払っているのは、14%
①多くのBtoB企業は「自社の品質を誇りに思って」だろうが、
その価値はそれほど顧客には届いていない。
つまり、以下が読み取れる。
「いつでも価格競争に陥ってしまうリスクがあること」
②CEB/Motista Studyのレポートによると、
BtoBにおける意思決定は、BtoCの場合よりも、多くの購買を決定する個人的なリスクが伴うのだから、以下は当然。
「BtoBブランドの方が顧客が感じる心理的絆が強い」
BtoBでは購買の意思決定に失敗すると職を失うリスクさえもある。
③購買に伴うリスクが高まれば高まるほど、単純な経済合理性よりも、
以下の理屈。
「個人的に愛着を感じるブランド・信頼できるブランドを選ぶ」
↓
リスクを軽減するために、以下の購買担当者の心理は納得できる。
「心理的に共感するサプライヤーを社内で推奨する」
④冒頭に示したA社のケースでは、WEBサイトや展示会などの場面で、自社の技術や製品群の紹介(=経済合理性)に力点を置いた「真面目」な訴求に終始し、顧客との心理的な絆づくりには欠けていた。
その結果、実際の商談の場面では、真面目さが裏目に出て、
経済合理性よりも「顧客との心理的な絆づくりに力点を置いた」
海外の競合企業の方に軍配が上がった。
■近年、BtoB企業にとっての「ブランディング」の重要度が高まっている理由
❶日本企業は以下のケースも多い。
「技術力の割に利益率が低く、価格競争に巻き込まれる」
一方、以下が欧米企業を中心に散見される。
「ブランド力を高め、価格決定力の強化を図る動き」
❷BtoBの取り引きは経済合理性だけで動いている訳はなく、
そこには「心理的な絆」が大きく作用している。
「顧客との心理的絆」を強化するのが、
BtoBブランディングの役割であり、それは収益率の強化につながる。