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(Z35) イノベーションが止まらない「両利きの経営」とは?-1 by 入山章栄 より抜粋加筆しました。
⑴ 「両利きの経営」の基本コンセプトは、『知の探索』と『知の深化』について高い次元でバランスを取る経営を指す
①イノベーションの源泉の1つは「知と知の組み合せ」。
たとえば、自社の既存のビジネスモデルという「知」に、
他社が別事業で使っていた手法などの「別の知」を組み合わせることで、新しいビジネスモデルや商品・サービスを生み出していくこと。
そのためには色々な知の組み合せを試せた方が良いため、
企業は常に「知の範囲」を広げることが望まれる。
これを世界の経営学では「知の探索」と呼ぶ。
②そのような活動を通じて生み出された知からは、
収益を生み出すことが求められる。
そのために企業が一定分野の知を継続して深めることを、
「知の深化」と呼ぶ。
⑵ 企業には「知の探索」を怠りがちになる傾向が、組織の本質として
備わっている
このことで知の範囲が狭まり、
結果、企業の中長期的なイノベーションが停滞することを、
経営学では「コンピテンシー・トラップ」と呼ぶ。
②イノベーションを目指す企業には、
コンピテンシー・トラップに陥らないように、「知の深化」を継続する。
一方、「知の探索」を怠らない組織体制・ルール作りが求められる。
このことを「両利きの経営」という。
③実際に、世界の経営学の実証研究では、以下の結果が発表されるようになってきている。
「イノベーションに長けた企業ほど、
この両利きの経営をうまく実現している」
④代表的なものには、米ミシガン大学のゴータム・アフージャ教授と、
米スタンフォード大学のリタ・カティーラ教授が、2002 年に『アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル』に発表した研究がある。
彼らは世界のロボット企業124社の特許データから、
各企業の「知の探索」と「知の深化」を計測した。
↓
統計分析の結果、知の探索と深化を同時に実現している企業ほど、以下の結果を得た。
「イノベーティブな製品を生み出しやすい」
⑶ 日本を代表する企業家の方々が、革新的なビジネスモデルを生み出した背景には、「知の探索」活動があることが少なくない
【例Ⓐ】トヨタ生産方式の生みの親として有名な大野耐一氏が、
「ジャスト・イン・タイム方式」を着想したきっかけが、同氏が米国のスーパーマーケットの仕組みを知ったから。
【例Ⓑ】ヤマト運輸創業者の小倉昌男氏が、
同社の「個人の宅配だけに絞り込む」配送ビジネスの着想を「牛丼単品で勝負する」吉野家から得た。
【例Ⓒ】1970年前後にイトーヨーカ堂の鈴木敏文氏が(同社のような)大規模店と地元の零細小売店との共存共栄の可能性に悩んでいた時に、
米国で当時台頭していたコンビニエンスストアのフォーマットに着目。それを日本風にアレンジしセブンイレブン・ジャパンを大成功させた。
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