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エッセイ355. レコードが捨てられない件
GWは以前から、大掃除と、実家から持ち込んだもの、6畳の部屋を3畳にしている引越し荷物の未開封のものを、なんとかしようと決めていました。
引越しは、思い切って物を捨てる一番いいチャンスです。
けれど今回は、賃貸ですが、終の住処ぐらいの気持ちでいたにもかかわらず、これがうまく行きませんでした。
そもそも、以前は居住スペース➕日本語塾の教室(アパート)が十分すぎて、12年の間にすごく物が増えていました。引越し前の2週間は、名古屋ジモティーを使っての不用品の受け渡しに忙殺されたほどです。
それなのに今、我が家の寝室6畳間は、半分ぐらいを未開封の引越し荷物が占めていて、中でも、「センチメンタル・ヴァリュー」と油性マジックで走り書きした大きな箱が、私の分だけで少なくとも6箱ぐらいあるのでした。
そこへ持ってきて、大量のレコードとCD、これは自分たち姉妹と、亡父母のものですが、実家の断捨離に伴い、大量にやってきました。
CDは、CDプレイヤーがありますので、結構一人で聴いています。
1枚を選んで、爪を立てるようにしてケースを開ける。
表面に触らないように気をつけながらCDプレイヤーにセットして蓋をして、プレイボタンを押します。
CDプレイヤーは、
カ、シュルシュルシュル・・
と、必ず呟いてから、音楽が流れ出します。
落語のCDは、大好きだった枝雀さん、志ん朝さんも入っていて、映像だと見入ってしまいますが、音だけだと家事をしながら聴くのにちょうどいいです。
それはいいのですが、聴けないのに捨てられなくて困っているのが、レコードです。
例えば、坂本龍一さんが亡くなり、「どんなお勧めがある?」と長女に訊かれて答えた、そのLPが出てきました。
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これは・・・・捨てられませんよね。
私は音楽は邦楽洋楽両方好きでした。
新譜が出る前に、地元の「飯島レコード」さんに予約をします。予約特典で、ポスターがもらえるからなのでした。
真四角なジャケットが、真四角な硬質ビニール袋に入っていて、同じサイズの「飯島レコード」とある紙袋に入れてもらってわくわくしながら家に帰る。
こういう袋さえ、今はもうないのだと思うと、捨てられないわけです。
いやいや、そんなことを言っていないで捨てましょう自分。
一番初めに入手したビートルズのレコードは、お金がなかったので、誕生日プレゼントにしてもらいました。いろいろ聴きたかったのでしょう、総花的な、ヒット曲モリモリのアルバムでした。英国と、英国編集の発売される国でしか売られておらず、割と知られていない物だそうです。あまりに聴きすぎて、ある曲が終わると、次の曲がすぐに頭の中で飛び出し、これ以外の「曲順」を受け付けなくなった程でした。
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一度実家で、ケイト・ブッシュのLPをかけてみたところ、取り扱いが乱暴だったのでしょう、全編、雑音がすごくて、びびってすぐにレコードプレイヤーを止めました。
実は、物を増やすまじ! と、新聞のチラシさえ見ないようにしているのですが、あまりに懐かしいコレクションなので、プレイヤーを買おうかどうしようか、迷っているところです。すぐに駆け出さないのは、ケイト・ブッシュのアルバムのようになっていて聴くに堪えない場合、立ち直れないからですね。
誕生日間近と、クリスマス間近に、改めてちゃんと迷おうと思っています。
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