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下野薬師寺歴史館 (栃木県)

先日栃木県立博物館で古墳時代の企画展をみて、栃木県の歴史に興味を持った。さっそく「下野薬師寺歴史館」へ行ってみた。

栃木県は昔、毛野(けの)と呼ばれ、群馬県と一つの地域として存在し、その後二つの国に別れ、栃木県は「下毛野国(しもつけのくに)」「下野国(しもつけのくに)」と呼ばれた時期を経て現在の「栃木県」となった。

下野国出身の地方豪族で「下毛野朝臣古麻呂(しもつけのあそんこまろ)」と呼ばれた人物がおり、地方出身者としては珍しく「大宝律令」の選定に関わるなど中央官僚として都で活躍した。古麻呂一族はこの地にお寺を建てていた。

1300年前(7世紀末)、この時期天皇や貴族などは古墳に代わってお寺を建てるようになっていた。そして、古麻呂一族のお寺を国のお寺としてつくりなおし、「下野薬師寺」として、奈良の「東大寺」、九州の「筑紫観世音寺」と並び、日本に3ヶ所しかない「戒壇」(かいだん。お坊さんになりたい人が試験を受ける場所。」のあるお寺となった。

残念ながら、「下野薬師寺」は1571年の北条氏の戦で焼けてなくなっており、昭和41年から開始された発掘調査で明らかになった事実を元に「史跡下野薬師寺跡」が整備され、発掘された品々が近くの歴史館で映像と共に分かり易く展示されている。

下野薬師寺復元模型
戒壇のイメージ模型
下野薬師寺 創建期の瓦
蓮華をモチーフとした創建期の鬼瓦。下半部は、東京国立博物館所蔵品のレプリカ。トーハクでその部分をみたいな。
回廊の原寸大模型
寺で使われた軒先瓦が年代順に展示されている。

分かり易い映像を観るコーナーがあり、そちらを観てから展示品で理解するのもお勧め。屋上へ行くと発掘調査が実際に行われ、跡地が示された場所を一望できる。

実際に現地へ行くと、様々な案内パネルで位置や大きさを確認できる。周辺には多くの史跡や文化財があり、下野市のホームページや、歴史館に置いてあるパンフレットで紹介されている。

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