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あと28日で出てくる第2子、絶好調すぎる第1子、臨月入りした妻、誕生日に鈴木亜美からマウントくらう本人。
2月9日。誕生日のおれは同年同日に38歳となった鈴木亜美が何しているのかチェックするようにしている。オフィシャルサイトは2年前のデビュー20周年ムードから何も変わっていない……と思っていたら、なんといつの間にか拠点がInstagramに移っていただけだった。
鈴木亜美、妻より一足先に臨月入りしてんじゃんなんなん鈴木。おれの第1子誕生のちょうど1年前に「かわいい妊婦の安産レシピ」をリリースしてたと知って「ひどいマウントだ!」とくやしかったが、今年はひと足先に第2子産みマンだと!おめでとうございます!
20年前、おれが男子校でつらい思いしてるときに鈴木は人気絶頂を迎えていた。あのときの途方もない距離感をきっかけとして、心の片隅には「いつかあみ~ゴ超え」という神棚が置かれている。10年近く前に代官山UNITのメインフロア脇で下手くそなDJをしていた彼女をブース最前まで行って一瞥し「おれたちも近まったな!」と思った年もあったというのに。ああおれが落ち着いていい日なんてまだないんか。
そんな大切なふたりの誕生日ではあるものの、鈴木が「良い歳のとり方ができているなって幸せです」と恍惚とした表情でインスタに書きこんでいる間、こっちはいつもどおりの暮らしをさせていただいた。
そうなんです、ゆっくり過ごしたい。そう思っています。汗かいたり焦ったりすることなく、積まれた本を上から読むでもいいしYouTube追っかけてたら夕方だよとかでもいい。そういう一日をずっと求めている。第1子の2足歩行がバッチリになって以降、我々夫婦の週末は完全に彼のものになった。かけがえのない時間を過ごせているのはカメラロールの容量から明らかだけど、30代後半の体力にとって平日の先にこの体育が来るのはなかなかのものだ。
今日は昼過ぎまで自宅でわんぱくを見守ったあと、腹が減りすぎてきたタイミングに乗じて車で隣町のステーキチェーン・カウボーイ家族へ向かった。「今日お誕生日の方はいらっしゃいますか?」と聞かれたのでそうだぜと答えると、カウボーイ姉ちゃんがブラウニーにろうそくを一本立てて歌を披露してくれた。カウボーイ家族、いいじゃん。もう名実ともに家族の中にいる自分だけど、「週末に一家でカウボーイ家族」って字面はそこらへんのステーキ肉よりうまい。
だが、そのあとに向かった喫茶店がよくなかった。駐車場がいっぱいだったので妻子を先に店内に向かわせ、自分はハザードたいて車内待機。昼下がりに車で喫茶店に来る客がすぐ出てくるはずもなく、だいぶ待たされて「誕イベとしてはかなりの難易度じゃん」と思った。15分ほどしてようやくスペ―スができたので店内に入ると、彼女たちはまだ待合いスペースにいた。「子供の席作れるところがなくて…」せわしなくベンチを上り下りするお子に対し、本日臨月入りした妻の体力は残り僅かの様子だった。ですよね、みんな等しく削られている。
その後、1歳児は席についても「タブレットの映像なんかじゃないんよ!僕にとって街が作品だ!」と言わんばかりに落ち着かず、結局おれと手をつないで外へ。車ビュンビュンの国道沿いを避けて路地に入れば、思った以上に日陰が寒い。上着持ってくればよかったなと後悔しながらつなぐ手の先で、1歳児はマンションのバリアフリースロープを10往復以上かまして楽しそうだった。そりゃそうだろう。
しっかりと遊ばせたつもりだったのに、お子は店内に戻っても引き続き元気十分だったが、きかんしゃトーマスを浴びせ続けていたら自然とおれの腕に寄りかかって寝てくれた。真向かいにいた臨月も首を90度にして沈没していた。37回目にしてこの展開は初。今日はすげえ誕生日だ。38歳、がんばっていきます。
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