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20日後も20年後も存分に生きよう
我が家。道路に面した窓付きのトイレから暗い隣室に光を送るため、ドアを小窓の付いたものに変えようとしている。工務店と詳細を詰めるなかで「出来合いのものであれば5万円に収まりますが、窓は手のひらサイズです。もう少し大きくするのでしたら6万5000円くらいでしょうか…」と言われ、畳んだハンカチくらいの光の価値は1万5000円であることがこのたび明らかとなった。
1万5000円。遊ぶ金にしては高すぎないが、遊び半分で使っていい金額ではない。20代、いや数年前であっても「じゃあ5万のほうで…」と妥協したことだろう。しかし2020年の私は、より多くの光を手にする生活を選んだ。ひとつに人生は今後も続く、そしてもうひとつには、この選択は他のメンバーにも同様の恩恵として降り注ぐという事実が背中を押した結果だ。
自分の寿命までのルートを考えればよかった日々から、自分がいなくなった先のことも想像する生活へ。家族と呼べる人たちがもたらした新しい余白は、月日を重ねるごとに生々しく自然に自分の中に根付いてきている。出産を契機にあらゆる我慢案件が自分たちを襲うことは前回改めて学んだけれど、20日後に訪れる次男との今回はさらに抵抗なく受け入れるに違いない。そんな制限どころか「養分としてしっかり生きねば」という気持ちすら年々強くなっていく。本人さんの今後の生活にも乞うご期待だよ本当。
すごい境地だぜフフンと思いたいものの、冒頭のドアは採光についてギリまでこだわったせいで数日間ドアなし便所を使う羽目になるとのこと。視野を広げても頭はよくない。
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