2000mも潜れる哺乳類がいるってよ
これはまたドエライ本に出会ってしまった。
渡辺佑基『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』
読んでいるとありえないでしょということが、ありえるということが分かる。
そういうものだと思っていたことが、そうではないと分かる。
うそでしょ?!ということが、動物の世界では起こっていることが分かる。
この本はそれらについて根拠を示しながら教えてくれる。
ちまたで、『料理の四面体』とならんで本質本として紹介されていた本書。
たまたま図書館に行ったら見つけたので借りてパラパラ読んでみたら本当に面白い。
生態学と物理学のフュージョン。
学問的な解明の面白さというのもあるが、何より動物の不思議が面白い。
わたしは、いわゆる文系人間だからだ。
アザラシってそんな深くまで潜れるの?
マグロって意外と泳ぐの速くないんだ。時速80キロはウソ・・・
アホウドリがあほみたいに飛ぶという事実。
これらの真実に迫りたい方は是非読んでみてほしい。
こういう事実に手軽に接することができるのも研究者の想像もできないような地道な努力の積み上げによるバイオロギングという研究方法、計測器の発明、偶然の産物あってこそということも書かれている。
バイオロギング、計測器があったとしても、わたしのような人間はその事実を知ることができないだろう。
もっとも革新的なのはその事実を大衆向けに書籍化していただいたことだ。
本を書く人へのリスペクトが止まらない一冊。
さて、これらの衝撃的な事実からわたしが学んだことは2つ。
1.やはり人間はちっぽけで環境変化に弱い生き物であることを忘れてはいけないということ。
2.異常なもの、異例から普遍的な説を導く著者のいうプロセスは確かに魅力的なアプローチだということ。
いろんな意味でダイナミックでインパクトのある本だった。
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