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なぜか全身が痛いという人へ | 線維筋痛症

私が患っている病気である線維筋痛症について、現在の症状や発症経過などを書きたいと思います。
「全身が痛いけど原因不明」、「病院へ行っても異常なしと言われる」という方へ向けて、私の体験が少しでも参考になれば幸いです。


0.このnoteの概要

  • 全身の痛みが数か月継続したため、内科、総合内科、整形外科、リウマチ科、膠原病内科で検査をしたが異常は見つからなかった。

  • 最終的に脳神経内科で線維筋痛症と診断された。

  • 発症から診断まで約3年半かかった。

  • 服薬療法と運動療法を半年ほど続けたところ、少しずつ痛みが緩和され、日常生活を取り戻しつつある。

1.線維筋痛症とは


線維筋痛症は次のような症状が現れる病気です。

線維筋痛症は身体の広範な部位に疼痛をきたす原因不明の慢性疾患です。リウマチ性疾患に分類されていますが、自己免疫の異常や炎症はみられず、機能的な(機能の働きに異常を生じる)リウマチ性疾患といえます。慢性的な痛みにより、日常生活における動作や生活の質が大きく損なわれますが、器質的な組織破壊などをきたすことはなく、生命が脅かされることもありません。

https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/fibromyalgia/

簡単にいうと、検査では異常がないけど全身がめちゃくちゃ痛い病気ですね。
厚生労働省の調査では患者数は人口当たり1.7%、約200万人いると言われており、それなりの割合で発症する病気です。

2017年にレディー・ガガさんが線維筋痛症であることを公表し話題になりました。私もこのとき初めて繊維筋痛症を知りましたが、現在でもあまり広く知られている病気ではない気がしています。


2.現時点(2024年9月)の症状

2-1.痛む場所

痛む場所を図示してみました。痛みの種類で色分けしています。

  • 緑色:筋肉痛のような痛み

  • オレンジ色:関節痛のような痛み

2024年9月時点の痛みの発生個所

こうみるとほぼ全身で症状が出ていますね。

2-2.痛みの出方・レベル

線維筋痛症の痛さの出方は人によって様々あるのですが、私の場合は次の特徴があると感じています。

  • 押したり触ったりしても痛みが強くなることはあまりない

  • 基本的に常時痛みがある

  • 痛みのタイプは重怠い感じ。たまに焼けるような熱い痛みも。

  • 日、時間によって痛みの波がある

軽く触れるだけで激痛が走る人もいるので、その方々と比べたらマシですかね。。。
とはいえ、半日以上症状が強く出ているときもあるので、その時はかなりしんどいです。寝込むしかないです。シャワーも浴びれません。

また、部位ごとの痛さレベル(10段階)を示します。

【痛さレベル】
レベル1~3 :ちょっと痛いが日常生活は可能
レベル4~6 :できれば動きたくないが、我慢して動くことは可能
レベル7~10:座ったり横になったりしないときつい

  • 顔|痛さ:3~7|目が特に痛い

  • 首|痛さ:4~6|

  • 肩|痛さ:5~7|

  • 肋骨|痛さ:4~7|息を吸い込むと痛い時がある

  • 腹筋|痛さ:2~3|

  • 腕|痛さ:5~7|

  • 手|痛さ:2~8|基本的にこわばっている

  • 背中|痛さ:5~8|後屈はほぼ不可

  • 腰|痛さ:5~8|

  • ふくらはぎ|痛さ:4~5|

  • 足|痛さ:2~8|基本的にこわばっている

レベルが高い「手、背中、腰、足」がつらいです。
痛くて寝られなかったり、痛みで起きてしまったりということが良くあります。ひどいときは1時間も連続で寝られないほどでした。

2-3.痛み以外の症状

痛み以外の症状でいうと、「倦怠感」と「羞明(=まぶしさを敏感に感じる)」、「易疲労感(=疲れやすい)」がひどいです。

特に羞明は厄介で、外に出るときは濃い目のサングラスが必須です。症状がひどい時は室内でもサングラスをしないと生活がきついです。

繊維筋痛症ではありませんが、有名どころでいうと、SUPER EIGHT(旧関ジャニ∞)の安田さんも病気の後遺症として光への過敏性を指摘され、常時サングラスを着用されています。
あのようなイメージをもっていただけると少し想像がしやすいかと思います。

3.経過

3-1.発症

症状に気づいたのは約4年前です。
年度明けから業務内容がガラッと変わり、かつコロナ対応で業務量が異常なほど増え、終電帰りや休日出勤の日々が2ヶ月ほど続いていました。

長時間勤務にはある程度慣れていたつもりでしたが、業務内容が合わず、自身でもストレスが溜まって憂鬱な状態になっているのを感じていました。
※繊維筋痛症の発症のメカニズムはまだ解明されていませんが、強いストレスが関係するとの説もあります。私の場合は仕事で強いストレスを受け続けたことが発症の要因かと考えています。

ある程度のピークを越え、業務が落ち着きだした頃(それでも月40時間程度の残業)、運動をしていないのにふくらはぎがつった後のような痛みを感じるようになりました。

この時は「単純に年齢のせいかな」と思っていました。

しかし、この痛みはなくならず、次第に痛む場所が増えていきました
数か月後には現在と同じように、ほぼ全身が痛むようになっていました。

この時は全身が痛みましたが、常時強い痛みがあるわけではなかったので、なんとか仕事を継続することができました。

そして、症状が何か月も落ち着かないので、病院に行くことにしました。
内科、総合内科、整形外科、リウマチ科、膠原病内科。
近所のクリニックだけでなく、大学病院などさまざまな場所で検査をしてもらいましたが、どこでも結果は「異常なし」でした。

当人としては「おかしい!」としか思えませんでした。
「全身が痛いのが何か月も続くのだから何か異常があるはずだ」と思っていたからです。

しかし、異常がなければ病名の診断もできず、治療もありません。

最終的には持病でかかっている内科の先生から対処療法として痛み止めを処方してもらい、痛みをごまかしながら生活を続けることになりました。

この時、最初はドラッグストアなどにあるカロナールやロキソニンを限度量まで試しましたが痛みが引かず、最終的にはトラマドールを限度量まで服用することでなんとか生活ができるようになりました。

この生活が約3年続きました。

3-2.診断

痛み止めを服用することで痛みのレベルが3~4程度まで落ちるので、なんとか生活を続けられていました。

しかし、ある日、急に痛み止めが効かなくなりました。
※これも原因が定かではありませんが、少なからず仕事の影響があったと思います。ほぼ愚痴になりますが、急にリーダを任命されたプロジェクトで残業や徹夜が増えたり、パワハラまがいの顧客に当たったりときつい時期が3か月ほど続いており、「仕事を続けられない。やめないと身体が壊れる」と思うほどストレスが溜まっていたことも要因の一つかと思います。

上司に相談し、業務を軽くしてもらいましたが、椅子に座ってPC作業を続けられる状態ではありませんでした。

ある夜、あまりの激痛に苦しむ私の姿を見かねた妻が救急車を呼び、かかりつけの病院に搬送されました。そこでも検査をしましたが、特に異常はなく、強めの痛み止めの点滴を打ち、様子見となってしまいました。

そこからは仕事ができる状態ではなく、休暇となり、波が治まるまで療養することになりました。
同時に持病の主治医に紹介状を書いてもらい、今までとは別の病院で検査をしてもらうことになりました。紹介状の先は膠原病内科でした。

紹介先の膠原病内科で検査してもらったところ、前と同じく膠原病は陰性でした。しかし、担当医から「線維筋痛症って知ってますか?おそらくその可能性が高いですよ」と言われ、線維筋痛症を専門に診ている病院を訪ねるよう紹介状が書かれました。

繊維筋痛症を専門に診ている病院をリサーチしたところ、通える範囲では10か所もなく、かなり少ないことが分かりました。
※あとで調べて分かったことですが、むしろ通える範囲で10か所もあるのは多い方で、エリアによっては県に一つもないようなところもあるそうです。

その中で診療実績のある病院の脳神経内科を訪れ、検査した結果、繊維筋痛症と診断されました。

この時は「線維筋痛症なのか」という落胆の気持ちはなく、「ようやく診断がついた」という安堵の気持ちでいっぱいでした。

症状が出てからここまで約3年半かかりました。

3-3.治療開始

治療は次の2つでした。

  • 服薬療法

  • 運動療法

服薬療法では、プレガバリンデュロキセチンの2種類の薬を使用することになりました。両方とも繊維筋痛症への効能が認められていて、保険適用にもなっています。はじめは少量ずつ服用し、徐々に量を増やしていく計画となりました。

運動療法では、症状がひどい部分を伸ばしたり、ひねったりするような運動を勧められました。また、併せて整体で全身のこわばりをほぐしてもらうことも効果的とのことでした。

治療開始となりましたが、当初は服薬療法のみ行いました。
というより運動療法はできませんでした。やはり、痛さもあり体を動かす気力が湧かなかったからです。

服薬治療を初めて3か月程経った頃からようやく運動療法にも手を付け、少しずつ散歩したり、ストレッチをするようになりました。

散歩はMAXでもまだ20~30分くらいですが、もう少しがんばれたらランニングもできたらと思っています。

ストレッチはYouTubeのnobu先生の動画を見てやっていました。
もちろん?毎日はできなかったので、2,3日に1回できればいいやくらいのペースでゆるく行っていました。

4.現時点のまとめ

服薬療法と運動療法を継続し、半年が経ちました。
今では痛みの最大レベルが以前よりも下がり、ある程度好きな時に散歩に行ったり、家事をしたり、noteを書いたりとできることが増えてきました!

ただし、週に何度か寝込む日もあり、フルタイムで働けるほどには回復していません。まだまだ療養が必要そうです。
(主治医からも半年で復帰なんてとても無理と言われています。。。)

半年経っても良くならないことに悲しくなることもありましたが、最初の診察で先生から言われた言葉を信じて、割とポジティブに取り組めています。

「これまで何百人も線維筋痛症の患者を診てきたが、大体が3年ほどで寛解し、日常生活を取り戻せている。ただし、途中で精神疾患を併発してしまうと、良くならないことが多い。長期的には良くなる可能性が高いので、長い目で治療を続けてほしい」

まだ療養には時間がかかりそうですが、気長に取り組んで、なんとか前までの生活を取り戻したいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
このnoteが誰かのためになれば幸いです。


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