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七つのロータス第2章について

 このページはオリジナル小説「七つのロータス」第2章についての解説と創作上のメモとなります。著者の解説は不要/嫌い、本編を読みたいという方は下のリンクへお進みください。

 隣国タラスの陥落を知ったサッラの人々は、同盟関係にある「帝国」に使節を派遣します。同盟国が直接攻撃されたわけではないので、帝国の人々は援助に消極的ですが、使節のカライは説得のためタラスを解放の後、帝国の勢力下におくことを提案します。
 可能な限り全ての章に見せ場を入れて、単なる繋ぎや説明だけの章を作らない方針なので、この章も会議シーンのやりとりや、吟遊詩人に仮託しての設定の説明、次の展開を予告するラストなどいろいろと工夫しましたが、単なる「説明回」になることを避けることができたでしょうか。

 特筆すべきことと言えば、まずは「タイトル回収」。七つの都市を中心に構成される帝国が七輪の蓮に喩えられていることが語られます。
 次いで皇帝が幼く、実権は外戚に握られていること、サッラは帝国を統一した初代皇帝に力を貸したことで、帝国の同盟国の中でも特権的な地位にあること、サッラの馬は他の馬に比べてとても大きいこと、などの設定を明らかにしました。

 時代考証的なもの。吟遊詩人の持つ楽器は琵琶のつもりで書いております。もちろん日本の琵琶そのものではなくて、中東のウードとかも含めた同じ系統の楽器のひとつと思っていただければ幸いです。書いた当時は琵琶も古い楽器だから、と思っていたのですが、今思うと共鳴室のある楽器は決して原始的な楽器とは言えませんね。琵琶がいつごろからあるか、Wikipediaによるとサーサン朝ペルシャ時代には工芸品に琵琶が描かれているようで・・・。この小説が想定している青銅器時代末とは千年以上違うなぁ。でもシュメール時代の遺物である「ウルのスタンダード」は楽器の共鳴箱であるという説もあるようなので、これについては書き直すチャンスがあってもこのままにすると思います。
 小ネタ。サッラ馬の始祖である月光の毛色は、シンボリルドルフがモデルです。

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