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展示してあるのは化石かレプリカか 【雑学エッセイ】
以前、恐竜展の帰りに妻から「パパが子どもたちに説明してるのを聞いて、後ろの人がへえーって言ってたよ」と言われました。
はて、色々説明したけど、何の説明が他の人にまで響いたんだろう、と思い返してみます。ティラノサウルス類の頭骨の幅の話?ティラノサウルス類の中足骨の話?でも詳しい人には目新しい話ではないし、詳しくない人には細かすぎる話のような。と思うと、後ろで聞いていた人にも「へえー」と言ってもらえたのなら、展示してある骨格が化石かレプリカかの見分け方の話かな?と思います。
恐竜展に足繫く通われる方なら常識的にご存知でしょうが、お子さんやライト層の方だと知らない方もいらっしゃるでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1715614504323-K8BIoI0AMD.jpg?width=1200)
ちょっと画像が暗くて申し訳ないですが、このアロサウルスは化石でしょうかレプリカでしょうか?
答えは、化石です。
化石を使っている骨格展示の場合、太い金属のフレームに骨を並べて外側からガッチリ固定します。
このアロサウルスの写真の場合、背骨の下や後肢に沿って太いフレームがあること、大腿骨が外側から固定されていることが見えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1715614604941-j0lyl8cczl.jpg?width=1200)
何故、こうなるかというと、化石は重く、しかも芯を通すために穴を開けることができないからです。いや、物理的にできないのではなく、資料的価値があるからできない、という意味ですよ。念のため。
逆にレプリカの場合は軽くて、中に芯を通して支えることができるので、このようなフレームは必要ありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1715615404060-M97pmywQHQ.jpg?width=1200)
軽くて扱いやすく、観察の邪魔になるフレームが必要ないので、実は展示にはレプリカの方が向いている、とさえ言えます。
僕が恐竜展で子どもたちに説明したのはこんな内容でした。後ろにいた知らない人にまで響いたのなら嬉しいですね。
ここで専門家の方のご意見に目を向けてみましょう。「ここにあるのは実物化石とレプリカ。ニセモノはない」僕もしびれますね。
ソロ活女子のススメ、ソロかはく楽しかった!
— Yuri Kimura (@micropaleov) May 9, 2024
「ここにはニセモノ、ないよ。ここにあるのは、実物化石とレプリカ」しびれるJK✨
「レプリカ学概論」の記事を読んでくれたのかなぁ🥰 🤩https://t.co/dgURUiNSbl pic.twitter.com/agVYY65bux
レプリカの方が利点が多いのは、この記事でも書いた通り。実物化石を見ての感動というのも確かにあるのですが、それを重視するあまりレプリカにマイナスイメージを持つのは悲しいし、なによりもったいないですよね。
「レプリカ」という言葉にマイナスイメージを持っている方もいるので、聞かれた際には「化石の展示においてはレプリカの方が利点が多いんですよ!」と説明しています >RT
— 加藤ひろし (恐竜のお兄さん) (@Hiro_DinoPaleo) October 3, 2021
詳しい方には常識的な内容でしたが、この記事が誰かの古生物への関心を少しでも後押しできたなら、これ以上の喜びはありません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。
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