カッコウVSオオヨシキリ マンガに出てきた話で恐縮ですが
オオヨシキリという鳥をご存知でしょうか。僕は鳥類に関心はあってもそれほど知識はないので、カッコウによる托卵の被害者ということくらいしかわからないんです。で、その托卵とオオヨシキリの話。
僕が子どもの頃読んでいた漫画に、小山田いく「ウッド・ノート」という作品があります。高校のバードウォッチング部を舞台にした青春ものです。この作中でカッコウの托卵を見破り、カッコウの卵を巣から捨てるオオヨシキリが登場します。「托卵される側も馬鹿じゃない」「オオヨシキリに托卵できなくなったら、カッコウはどうするのだろう」「別の種類の鳥に托卵するようになるだろう」「その鳥にも見破られるようになったら?」「そうしたらまた別の鳥に」というような会話がなされていたと記憶しています。最後に読んだのも随分昔ですので、記憶違いがあったらご容赦下さい。
そして大人になってから読んだ岡崎二郎「国立博物館物語」にも、托卵された卵を排除するオオヨシキリが登場します。おおっ!「ウッド・ノート」に出てきたヤツ、と思っておりますと、こちらでは「托卵を見破る個体が生き残るなら、カッコウは托卵ができなくなるのではないか」という疑問を口にする主人公の前で、カッコウの卵を排除したオオヨシキリの巣をカッコウが攻撃して卵を潰してしまうという行動が観測されます。
おおっ!過去に読んだ漫画の内容に対するアンサーになっている!と感動したわけです。
漫画の話だけではアレですので、この漫画の内容が事実かどうかについて、ちょっと検索してみます。う~ん、確かにオオヨシキリが托卵を見破るのは、色々なサイトで言及されているのですが、見破ったオオヨシキリをカッコウが攻撃する、という内容は見つけられませんでした。「国立博物館物語」という作品の性格上、フィクションではなくてそういう論文なり報告なりを下敷きにしているとは思うのですが、あまり一般的に観察できる行動では無いのでしょうか。
今回検索して、分かりやすくて面白かったのはこちらのサイト。
ウッド・ノートで言われていた托卵する相手を変える、という行動が実際に行われていたことがわかったのが興味深いです。
ちょっと文章量が多かったので、斜め読みで済ませてしまったのはこちら。
騙しを見破るテクニック:卵の基準,雛の基準─托卵鳥・宿主 の軍拡競争の果てに─ 日本鳥学会誌の記事 PDFです。
果たしてカッコウは托卵を見破ったオオヨシキリを襲うのか。確かめるために、今度この本を図書館から借りてみようかな。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。