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2万曲を一日で? | daily

レコード5,000枚と聞くとすごい気がしてしまいますが両面に1曲ずつみたいなものだと1万曲しかないわけで、今のサブスクリプションで何千万曲が聴き放題みたいな世界とは桁が違うわけです。そんな世界で選曲をするというのは大変な事業だなと思います。DJが自分の曲ばかりかけるのもまあ当然で自分の好きなように作っているものをかけるのは自然なことだと思いますし、自分のレーベルの曲をおぼえるだけでも大変なことなのでしょう。セレンディピティみたいなものを信じてサブスクリプションやストリームの中を彷徨うのは有限な人生においてなかなか厳しい戦いだなと感じます。とはいえ、辿って行った先に面白いものを発見した喜びというのはやはり何物にも代えがたいものがありますのでそれはそれで許される限りはライフワークとして続けていきたいものです。

世の中には好きなものをひたすらくり返し聞く人というのがいるらしく、それはそれで幸せなんだろうなと思います。だって好きなものが明確になっていてそれを繰り返し聞いてなお好きだと思うわけですし。終わりなき日常のテーマ曲みたいなものが自分にもありますし、音楽というのはそれが鳴り響いていたシチュエーションと不可分の記憶があるものです。それを自然に繰り返し、何度も噛み締めるというのは大事なことでしょう。再解釈や新たな発見というのもあるようですし、人間の認知能力の可能性を感じさせるなと思います。

そういえば好みの音楽をインプットすればAIが自動的にいい感じのフレーズを無限に生成してくれるみたいな夢のような話もありましたが、その辺の研究というのはいまどうなっているのでしょうか。世界が不況に向かう中でR&D予算が削られているという話ですし、そういったエンターテイメントの予算というのは縮小していくのでしょうか。ミュージシャンに作ってもらった方が安いみたいなのは切ない話ですが。

これからはライブ体験の時代、サブスクで認知を得てライブでファン化するみたいな話もありましたが、それもできなくなってしまいました。VRの世界で実現していけるという可能性はあるのでそれはそれでキャパシティというものが遥かにリアルよりはスケールアップしそうですしいいことなのではと思います。

AIが自動生成してくれる前にSpotifyのレコメンデーションの精度を上げてくれるのでも構いませんし、レコメンデーションエンジンというものが結局統計的な外れ値をうまく扱ってくれないと今これが売れてますよという話になってしまい面白くないですし、これもバイアスなのかと思うとやはり人間性を排除していかねばみたいな気持ちになります。

理想は2万曲を一日で楽しめるような圧縮された体験なので、それが実現される日まで生きていられたらいいな。

本の紹介です

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